成長を続ける、着うた/着うたフル市場
モバイルコンテンツ市場で、最も大きな割合を占めているのが着うた・着うたフル市場である。2002年にKDDIが最初にサービスを開始し、その後NTTドコモやボーダフォン(現・ソフトバンクモバイル)が追随したサービスであるが、モバイル・コンテンツ・フォーラムの発表によると、2007年には着メロやモバイルゲーム市場を抜きモバイルコンテンツ市場では最も大きな1,074億円の市場になった。そんな着うたサービスであるが、キャリアごとに検索結果に独自色を出しているなど、検索周りでも注目すべきサービスになっている。
そこで今回は、着うた・着うたフルを探すモバイル検索ユーザーとモバイルサイトの状況及びそれらの対策について説明する。
歌手名で着うたを探すモバイル検索ユーザー
下記の図1は、着うたに関連するキーワードの予想検索数である。このデータで特徴的なのは、“着うた”というキーワードよりも検索数が多い歌手名が存在していることであり、多いものになると2倍以上検索されている。【注】
歌手名という具体的なキーワード(具体名称キーワード)の検索数が多い理由としては、目的のページにより早くたどり着きたいというユーザーのニーズを考えると、当たり前の結果のように思える。しかし、第1回で触れた旅行ジャンルにおいては、「旅行」というキーワードの検索数が「沖縄旅行」というより具体的なキーワードの検索に比べ20倍以上も検索されていたことから、ユーザーが詳細かつ具体的なキーワードで検索することは必ずしも一般的ではないことがうかがえる。
それでは、ここで着うたからは一旦離れて、どのようなジャンルでは具体名称キーワードの検索数が伸び、どういったジャンルでは広域なジャンルキーワードの検索数が伸びるのかを見てみよう。
【注】2008年9月5日の記事公開時は、「着うたに関連するキーワードのOverture(iモードのみ)の検索数(注1)」という表記をしておりましたが、Overture社は現在外部に対して検索数を公表しておりませんので、フラクタリスト社のリスティング広告運用実績を元に「予想検索数」として、加筆/修正しております。なお、フラクタリスト社のデータを用いましても、予想検索数に変わりはありませんので、2008年9月5日の公開時と本文の結論に変更はございません。次ページの図2についても同様です。