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上原仁の新マーケティング時評

第3回 口コミマーケティング成功の極意(後編)~PRブログの今後~


前編では口コミマーケティングを成功させるポイントを紹介しました。後編では、最近話題のPRブログについて、マーケッター、ブロガー、コンシューマといった3つの視点からみたメリット、デメリットを語っていただきました! PRブログの今後はいかに!? (前編はこちら)

口コミマーケティングとPRブログの関係

 口コミマーケティングの盛り上がりとともに、「PRブログ」と呼ばれるサービスが流行ってきています。PRブログとは例えばエニグモさんのプレスブログなどがあたります。サービスとして活用するクライアントもそこそこいるみたいですね。

 なぜPRブログが流行っているのか? 私はその背景としては2つあると考えています。1つはよく言われるところのたくさんのブログの書き手の人たちに自社のサービスを書いてもらえること。もう1つは実はSEOの効果なんですね。

 PRブログのスタンスとしては、商品を使ってもらって、よいことでも悪いことでも書いてくださいということなんですが、いいことばかり書いてくださいというと、ロクなことにならないです。炎上を招いているようなものです(笑)。あくまでブログを消費者の声と位置づけ、率直に書いてくださいというスタンスが基本です。

 もう1つのSEOですが、SEOは基本、被リンクに応じてそのサイトの価値が計られる。例えば、たんぽぽコーヒーのサイトに対してPRブログのサービスを提案する場合、aタグのリンクを貼ってください、くわえて感想を書いてくださいという提示の仕方をします。そうすると、当然たんぽぽコーヒのサイトを検索した時、上位に表示される確立は高くなります。

 いま、こういったサービスを行っている事業者のなかでは、だいたい1人に書いてもらったら500~1000円ぐらいの単価で推移しています。例えば500円で200人の人に書いてもらえば10万円。200リンクを10万円で買えるとすれば、他のSEO事業者さんと比べても安くなってしまいます(笑)。

 結局、実際口コミをしてその記事からどれだけ売れたのか、というトラッキングをするしくみはほとんどできていない状況なんですが、SEOの効果については「これだけ上がっています」といえます。マーケティングの担当者の立場であれば、PRブログは数字のロジックがついているので非常に使いやすいサービスなんですね。つまり、本来ならば「PRブログ」という言い方よりは「SEO対策」といった方が適切なんです(笑)。

3つの視点からみたPRブログのメリット、デメリット

 PRブログのよさとしては、口コミというマジックワードよりも、SEOとアンケートとしての存在感だと思います。もし200人の人にアンケート調査を実施するとなれば、それなりの金額がかかりますが、PRブログであれば、より低い金額で消費者の声を取れてしまう。そういった意味でいうと、マーケティングの担当者にとってメリットがあるサービスなのではないでしょうか。

 では、ブロガーからみたときはどうかというと、ブロガーの人たちにとってもメリットがあると思います。お金をもらうことに対して自分の中で納得して、嘘をつくことなければ、ブログのネタにも困らず、好みのネタについてだけ自分の意見を世に伝えられるのですから。

 それに、実際こういったサービスに参加している人の多くはそれほどPVを持っていません。なので、見る人は身内の人たちなんですね。言い換えるとタバコのサンプルをもらった人が、友達に見せるといった行動と変わらないと思います。影響力が大きいブロガー、例えばアルファブロガーの方々などは、そういったサービスには参加しないですからね。

 次に消費者としてですが、これは賛否両論があると思います。メリットとしては、例えば本来知らなかったモノを知ることができるという、認知、機会が挙げられるでしょう。デメリットとしては「お金をもらっているんでしょ?」という部分が消費者からは認識できないことですね。要するに嘘か本当かわからない情報を吸収する可能性があるという点がマイナスです。

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この記事の著者

上原 仁(ウエハラ ジン)

株式会社マイネット・ジャパン 代表取締役社長 1974年生。元NTTレゾナントgooサービス統括。神戸大学経営学部卒業後、NTTで映像配信事業の立ち上げ、gooの戦略・提携等を担当し、2006年に起業。日本初のソーシャルニュースサイト『newsing』(ニューシング)を運営。著書に『アルファ・ブロガー』(翔泳社)、『口コミ2.0 -正直マーケティングのすすめ』(明日香出版社)。ブログは『近江商人JINBLOG

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/12/26 14:43 https://markezine.jp/article/detail/510

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