「クラシファイド広告」儲けの仕組み
このkijijiのサービスは、その仕組みは単純でありながらも、三行広告の本質である「マッチング」が図られており、インターネットならではの“情報”に重点を置いたところが非常に面白い点だ。このようなサービスはクラシファイド広告と呼ばれており、海外では2,000億円もの市場規模となっている成長ビジネスでもある。
しかしながら、先述した仕組みを見た限り「儲けの要素」はどこにもないといっても過言ではない。だが、実際にはある方法で儲けを得ているのである。
1つは、下記のようにkijiji内の各ページに挿入されたPPC広告/純広による広告収益モデルである。Webでサービスを展開すれば、PPC広告の利用は必然なので、広告収益モデルがkijijiで活用されていることは何も驚く事はない。

2つ目は「掲載枠を期間売りする」というものである。kijijiでは、出品者が出品・募集をかけると、登録された順番に種別カテゴリ&地域カテゴリ内のページで行表示され、掲載されるようになっているのだが、ここの掲載位置の上位を期間を限定して売るというものである。例えば日本版kijijiでは、「注目広告」という商品名がつけられており、3日間の掲載期間で100円。7日間の掲載期間で200円となっている。< /p>

3つ目は、出品者が持つWebサイトのURLを説明ページへ掲載する際のオプション収益となっている。これは、URL1つの挿入で100円となっている。
このようにして、クラシファイド広告は収益をあげているのである。「クラシファイド広告」という名前から、そのもの自体が収益をあげる広告と認識しがちだが、あくまでも無料の広告掲示板である媒体を使って、マネタイズをしている…という点に注意しなければならない。
今後の展望~エコがキーワードか!?~
日本に根付き始めたかどうか…といった、まだ微妙な位置にいるクラシファイド広告だが、実際にはYahoo!社が運営する「Yahoo!なんでも交換」というサービスや、株式会社エニグモが運営する「ShareMo(シェアモ)」といったサービスが、よりクラシファイド広告的なサービスを展開しはじめている。
クラシファイド広告の特徴は、なんといっても無料で出品できて、いらなくなったものであれば無償譲渡もできるという点だ。となると、今後は物々交換や物品の譲受など、よりエコロジーな方向に進んでいくのではないかと思う。
安易に「エコ」という言葉を使うのは個人的には好きではないが、クラシファイド広告であれば安易にモノを捨てる必要がなくなり、エコロジーの一翼を担うことができるのではないだろうか。
【補足】
クラシファイド広告の海外トップは、ユニークビジター数約3,000万(月間)の「Craigslist」というサービスとなっており、kijijiはそのライバルに位置している。ちなみに、kijijiは米eBay出資のもと作られたサービス(企業)だが、実は米eBayはCraigslistにも25%出資しており、eBayは競合2社の持ち株を抱える株主となっている。TechCrunchによると、競合問題で米eBayはCraigslistと係争中とのこと。25%の持株比率ゆえ、思い通りにならなかった米eBayが新たに作ったサービスがkijijiであり、結果的に大きな軋轢を生むことになってしまったようである。