本質は情報のマッチング
三行広告という言葉はご存じだろうか? スポーツ新聞の下欄などに掲載されている「求む! 営業正社員。給与23万円~」といったごく短い文章で構成された広告のことだ。分かる人にしかわからない文章で構成されていることもあり、ややアングラなイメージをもつ人も多いだろう。
この三行広告であるがその本質は? というと…「広告主と新聞購読者の需給関係の構築」と言える。簡単に言ってしまえば、両者のマッチングを図るということである。
さて、そんな三行広告だが、その本質をついたサービスがWeb上で展開されている。『kijiji(キジジ)』というサービスである(右図)。kijijiは、米最大級のオークション会社eBay社が出資し、アメリカを拠点に…カナダ、フランス、イタリア等世界各国で展開されているサービスであるが、日本でもサービスリリース(日本版『kijiji』)していることはご存じでない方も多いのではないかと思う。
グローバルにサービス展開を行っているkijijiだが、そのサービス内容はどのようになっているのだろうか。その仕組みは至って単純で、「何かを提供・募集したい」人がその内容や条件、画像、金額、居住地域などをkijijiが用意した専用の掲示板に掲載できるようになっており、掲載されたその情報を見た第三者が必要(「提供して欲しい/応募したい」)と思えば、その出品者に対してアクセスすることができるようになっているというものである。
出品者へのアクセスの方法は、電子メールを使った方法を採用しており、下図のように商品情報の右サイドに自分自身の電子メールアドレス、広告主(出品者)へのメッセージ、認証用のコードを入力できるフォームが用意されており、そこからファーストコンタクトがとれるようになっている。コンタクトがとれたらあとはご自由に…といった形になっている。
ここまで読むと、「これってネットオークション?」と思った方も多いのではないかと思う。しかしながら、kijijiでは、ネットオークションのようにビッド(入札)は出来ないようになっており、またオークションでは扱えないような「人材」といったものも掲載・募集をかけられるようになっている。
それ以外にも、オークションでは主催者側はカテゴリの分類と検索といった機能を提供しているが、kijijiでは”地域”といった分類をも提供している。kijijiは情報(交換・売買)掲示板であるため、無償譲渡・場所限定の人材募集といった情報もあるので、地域分類という機能は“あって当然”である。また、出品者の利用料が無料という点もオークションとは大きな違いである。