API公開に伴い、日本も自動入札の時代へ
自動入札ツールは日本でこれまでほとんど普及していなかった。この点についても、岩田氏は背景を説明したうえで、今後は急速に拡がっていくとの見通しを示す。
「リスティング広告の普及率を見ると、日本での29%という数値に対して、海外では57%という国もあります。この背景には自動入札ツールの普及度の違いがあります。自動入札ツールは既に海外では広く使われていますが、日本では3年ほど前にブームが起きたものの、その後はとんと使われなくなっていました」
日本で拡がらなかった理由を、岩田氏はいくつか指摘する。まず、3年前はまだSEMの運用業務が今ほど高度でなく手作業でこと足りていたこと、次に海外製のツールが非常に高価だったこと、そして製品のAPIが公開されておらず、日本国内のベンダが参入しにくかったことなどがあるという。
「しかし、いまやリスティング広告は競争が激化し、その結果キーワード数の爆発的な増加や入札価格のひんぱんな変動など非常に高度化・複雑化してきています。人手による運用は限界にきており、ツールによる自動化は必然かつ不可欠の選択肢なのです。さらに2008年、海外製品のAPIが公開され、国内ベンダも開発が可能になって、状況ががぜん加速してきました。国産製品の参入で競争が生まれ、さらに日本市場に適した形に進化したツールが登場してくるでしょう」
現にロックオンでも、主力製品である広告効果測定ツール「AD EBiS」のラインナップに、2008年末には新たにルールベース型の自動入札ツール「AD EBiS AutoBid」が加わる予定で開発を進めているという。
岩田氏は最後に、「今後、まだまだ自動入札ツールの拡がっていく可能性はあります。そうしたリスティング広告運用ツールとマーケットの変化を適確に捉えながら、皆さんと一所にSEM市場を大いに盛り上げていきたいですね」と語り、今後への意欲を示した。
【MarkeZine Day】
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