6回目となる「デロイト トウシュ トーマツ 日本テクノロジー Fast50」は、TMT(Technology, Media & Telecommunications)業界の過去3年間の収益(売上高)成長率の上昇が著しい日本企業の応募からなるランキングプログラム。収益成長率を指標とすることによって、企業規模によらない成長性を表わすランキングとなっている。
今回1位となったのは、企業売上高成長率1,053%を達成したウェルネット。同社は北海道を拠点として、コンビニや銀行窓口などを通じた代金回収サービスを展開。今年8月、GoogleのAdWordsの支払でコンビニやネットバンキングが利用可能となったが、これはウェルネットが提供するマルチペイメントサービスとの連携によって実現したもの。首都圏以外の企業が1位になるのは今回が初めてだという。
2位はEC・モバイルに特化したインターネット広告代理店ビックタウン(877%)、3位はインターネット上でオンライン会計・給与計算システムなどのASPサービスを展開しているアイアンドエーエス(846%)がランクイン。上位10社のうち、8社が未上場企業(2008年8月末現在)であり、成長力のある未上場企業の活躍が目立つ結果となった。
発表された50社のうち、上位20社の顔ぶれと成長率、所在地は以下のとおり。[未]は未上場企業を表す。
<デロイト トウシュ トーマツ 日本テクノロジー Fast50 ランキング 上位20社>
1位 ウェルネット 1,053%(北海道)
2位 ビックタウン[未] 877%(東京都)
3位 アイアンドエーエス[未] 846%(東京都)
4位 リニカル[未] 792%(大阪府)
5位 ジークレスト[未] 494%(東京都)
6位 ファイベスト[未] 466%(東京都)
7位 エイチーム[未] 441%(愛知県)
8位 サーチテリア[未] 437%(東京都)
9位 ミクシィ 430%(東京都)
10位 ブレインパッド[未] 404%(東京都)
11位 バルテス[未] 394%(大阪府)
12位 ガーラ 391%(東京都)
13位 ディー・エヌ・エー 362%(東京都)
14位 オプティム[未] 349%(東京都)
15位 インネクスト 331%(東京都)
16位 アイフリーク 329%(福岡県)
17位 UBIC 324%(東京都)
18位 マグナデザインネット[未] 297%(沖縄県)
19位 アエリア 255%(東京都)
20位 グローバルサイン[未] 247%(東京都)
本年度のランキングの特徴としては、北海道、福岡、沖縄といった地方企業や、昨年度から継続して高い成長率を示すモバイル関連企業の健闘が目立った。モバイル関連で受賞した企業は、事業領域がEコマース、コンテンツ、決済、ソフトウェアテストなど多岐にわたっている。
業種別に見ると、インターネット関連分野からの受賞が54%から44%へと昨年より減少する一方、コミュニケーション分野は10%から12%に増え、年々増加する傾向にある。
また、全体の66%を占める33社が上場企業で、東証マザーズ52%、大証ヘラクレス27%、ジャスダック9%のほか、2年連続で札幌アンビシャスと先端技術企業向けの新市場NEOから1社ずつランクインしている。
【関連記事】
・Google AdWordsの決済がコンビニでも可能に
・テクノロジー企業成長率ランキング1位の中国企業は売上高成長率27,542%、アウン、ミクシィも入賞
・テクノロジー企業成長率ランキングで、アウンコンサルティングが5位に
・2008年度版「先輩が薦める企業ランキング」1位はオプト、メガバンクを避け地銀・信金が人気