今後は「ライトタイムマーケティング」への対応も
アセンディアではまた、10月より「SiteTracker」のオプション製品として「SiteTracker 携帯サイト解析オプション」の提供を開始している。この製品は株式会社エクサージと共同で開発したもので、携帯電話向けサイトの訪問者の行動解析を実現するオプションとなっている。「携帯電話向けのサイトでは、携帯電話のキャリアごとの特有の仕様が原因で、正確なレポートを出すことが困難でした。
たとえばNTTドコモの場合は、ページを移動するごとにIPアドレスが変わります。このためユーザーの経路を取ることができません。ユーザーが5ページ閲覧しても、5人のユーザーがアクセスしてきたとしか解析できなかったのです。
しかしエクサージとの共同開発によって、NTTドコモの場合でも経路を追いかけることが可能になりました。具体的には、サーバーにモジュールを追加することでログにセッションIDをつけていきます。
この方法なら、IPアドレスが変わっても追跡でき、正確なユーザー数を把握することができます。NTTドコモは仕様が特殊ですが、他の携帯電話でも移動中で基地局が変わるとIPアドレスが変わります。携帯サイト解析オプションでは、これらの問題を解決しています」と語る。
最後に、今後の展開についてうかがってみた。「今後は、携帯電話向けサイトへの対応を、さらに充実させていきたいと考えています。最近の携帯電話は機種固有の番号があったり、クッキーを使える機種が多くなっています。PCには当然ながら機種固有番号はありませんが、PCと携帯電話を判別して、携帯電話の場合にはユーザーエージェントに固有番号を付加するなど、「SiteTracker」ひとつで複数の環境に対応できるよう、現在構築中です。
また、最上位エディションである「Premier」にデータモデルエクステンションという機能があるのですが、この機能を使ったデータベースの拡張を考えています。具体的には、他のデータベースのデータを「SiteTracker」に読み込む機能で、現在、技術検証を進めています。データベースの種類によってインデックスの揃え方が異なるなど、相性の問題があるのです。
これをクリアできれば、たとえば会員制ECサイトを持つ企業の場合、会員IDとデータベースの情報を紐づけることができます。そうすると、ユーザーの性別や年齢、時間帯などによって販売の傾向を分析できるため、ライトタイムマーケティングが可能になります。特定のユーザーに対して、最適なタイミングでプッシュ広告を配信するといったことができるわけです。
アクセス解析の新たな活用法も登場
なお最近の傾向として、アクセス解析ツールをイントラネットで利用するケースが出てきています。これは主に大企業や自治体ですが、社内システムにWebシステムを利用している場合に、利用状況を監視したり、コンテンツ内容や文言の適格性を確認したりすることを目的とした使い方です。内部統制などのからみですね。今後はこのような活用法への対応も模索していこうと考えています。
「SiteTracker」は12年の歴史を持ち、インターネットの黎明期から存在するアクセス解析ツールである。12年の歴史について、外立氏に聞くと「実は、初年度の販売本数は0本なんですよ。そこから12年間続けていられるのは、ユーザーのみなさんのおかげだと思っています」と語る。その機能と性能、使い勝手の良さは、大企業や自治体を含むユーザーの多さからもわかる。
事業譲渡によって提供元ブランドが変わったが、まずは「アセンディアが提供するSiteTracker」の認知を広めていきたいという。新規サイトやリニューアルに大規模な予算が割かれる現在、一度SiteTrackerによるアクセス解析を試してみてはいかがだろうか?
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