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Web心理マーケティング入門

「たかが色、されど色」 ヒトとWebと色の関係


どの色を使えば“注目”を集められるのか

 「誘目性」という言葉をご存知であろうか? 誘目性とは複数の色がある中で、どれほど目を引くか(注目されるか)といった効果の高さを表す。背景によって誘目性の高い色は異なるのだが、

  1. 彩度が低い色<彩度が高い色
  2. 無彩色<有彩色
  3. 寒色系の色<暖色系の色

 以上が誘目性を高める秘訣である。簡単にまとめるならば無彩色(白・灰色)等の背景に「オレンジ・赤・黄色」などの色を配置すると誘目性は極めて高くなる訳である。

 誘目性効果が高い色は上記図の通りである。これは我々の実生活においても勿論応用されている。何故、危険や注意を呼びかける交通標識が赤色やオレンジ色なのか、小学生の傘や帽子が黄色なのかは、この誘目性に起因しているところが大きい。

 この誘目性の高さを活用し、広告素材(バナー広告)など考えてはいかがであろうか? 広告主であれば、出稿するメディアの配色(背景や多く使われている色)を逆手に取った色で広告素材を作るであるとか、逆に広告を受ける側の媒体社であれば、広告の誘目性を高める為のサイト内の配色を心掛けたり、それが難しいのであれば、広告主にサイトに適した広告素材を逆提案してもよいのではないだろうか。

工夫次第で、目立たせることも可能

 誘目性を高めたとしても、認識し難いモノを世に出しても意味がない。例えば白で構成されたサイトにオレンジ色で構成されたバナー広告を出稿したとする。とても目立っており、ユーザーの目を引くことだろう。では、それで良いのかといえば、それだけでは不完全である。つまり、バナーで見込み客をサイトに誘導するとしても、そのバナーの中身をどうするのかという問題がある。今回の題材は色であるので色を中心で考えてみよう。

 極端な例えかもしれないが、服をバナー広告で紹介するとしよう。黒い背景のバナーで広告を出稿し、そこにダークグレイの服を掲載する。下記図を見ていただければ一目瞭然であるが、当たり前の事ながら、注目させるべきはずの商品が見えづらい。この見えづらさは、背景の色と商品の色によって影響され、これを視認性とよぶ。また、背景部分と商品部分の色の明度差が小さい時に見えづらくなることを『リープマン効果』とよぶ。

図A

 時と場合にもよるだろうが、目立たせたい商品は膨張して見える色を使うと良い。身近な例として、白い服を着ると膨張し、太って見えてしまうことが挙げられる。同じサイズであっても、幾らか大きく見える効果を利用するということも、工夫によって効果に結び付けようとする施策の1つであろう。

 また、リープマン効果を逆手にとる工夫もある。『セパレーション効果』というものだ。図Aの「黒背景とダークグレイの商品」の境に明度差のある一色を入れる。そうする事によって商品の色がはっきりと分かり、また時として商品の良さを一層引き出すことさえあるのだ。下記イラストは全く同じ形で同じ色を配置した同一のモノなのだが、セパレーション効果を利用する事により、色や形、立体感など別の印象を受けるのではないだろうか?尚、下記2つの服の色は16進数のRGB値で#333333で全く同じ色である。

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たかが色、されど色

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この記事の著者

原田 学史(ハラダ タカフミ)

株式会社クリエイティブホープ 取締役CMO Webコンサルタント
中央大学卒業 1976年生まれ 神奈川県出身
大学在学中に起業し、1996年より海外からアパレル・雑貨を中心とした商材を仕入れ、国内でネット通販事業を開始。大学卒業後、現GMOインターネットに入社。現在に至るまで一貫してWeb業界に籍を置き、クラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/01/05 18:38 https://markezine.jp/article/detail/6155

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