ごあいさつ
はじめまして。田中とかげです。大屋氏からバトンを受けてこのたびMarkeZineでオンラインマーケティングに関する書籍のレビューをすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、今回はこれまでと多少毛色を変えて、神田昌典氏の「あなたの会社が90日で儲かる―感情マーケティングでお客をつかむ」を書評したいと思います。これまでこのコーナーでは、オンラインマーケティングの基礎概念となるネットワーク思考について主に紹介してきましたが、たまにはこのような現場実践的な書籍も良いだろうと思ってのことであります。
「感情マーケティング」に視点を置いてみよう
神田昌典氏は「実践マーケッター」として、様々な書籍を発刊している。この「あなたの会社が90日で儲かる―感情マーケティングでお客をつかむ」は、その第一手だ。神田氏はこの単行本の中でタイトルどおり「感情マーケティング(Emotional Marketing)」を推し進めている。
では、感情マーケティングとははたしてどういったものなのだろうか?
例えば地元の商店街の八百屋にて、「ダイコン1本25%引き!」というポップが立てられていたとする。すると、向かいの八百屋(いわゆる競合)では「ダイコン本日13時までに限り90円!お一人様一本限り!」というポップが立てられている。
さて、一般の消費者はどちらに惹かれるだろうか?
マーケティングに少しでも興味のある向きや知識のある向きは、すでにここで伝えたいことにピンときているだろう。神田氏は本著の中で、具体例を多く利用して、この「感情マーケティング」について解説している。感情マーケティングとはすなわち、人間心理を利用することであるお客の感情をいかにして煽るかに視点を絞ったマーケティング手法なのだ。以下「感情マーケティング」のツボを見ていこう。