モバイルサイトは移動中より“自宅でのんびり”
最も認識が異なる要素として挙げられるのが「利用場所」である。携帯電話はいつでもどこでも利用できることから、モバイルサイトも外出先や移動中で利用されるもの、という認識を持つ人が多いことだろう。では実際のところはどうなのだろうか? まずは以下のグラフを見て欲しい。
これは、モバイルインターネットを利用している人を、PCのインターネットを毎日利用している人(ヘビーユーザー)と、毎日は利用していない、あるいは全く利用していないという人(ライトユーザー)に分け、どのような場所でモバイルサイトを利用しているかを集計したものである。見ていただければ分かると思うが、PCサイトのヘビーユーザーは移動中や外出先での利用が多いのに対し、ライトユーザーは自宅内での利用が最も多く、ヘビーユーザーと比べ移動中などの利用が少なくなっている。つまりPCサイトに触れている割合が低く、モバイルサイトに触れる率が高いユーザーは、自宅でモバイルサイトを利用する傾向が強くなるのだ。
では、自宅のどのようなシチュエーションで利用されているのだろうか。モバイルインターネット利用者の自宅内での利用シチュエーションをグラフで示したので、見てもらいたい。
こちらもグラフを見てもらえば明らかだが、利用者数が最も多いのは「休養/くつろぎ」、次いで「就寝前」となっている。こうしたことから、モバイルサイトを多く利用するユーザーは、移動中より自宅でのんびり使う方が多いということがいえる。
通勤/通学手段の中心が電車などの公共交通機関となる都市部では、この傾向はなかなか理解しづらいかもしれない。だが郊外や地方では通勤・通学に自動車や自転車と用いる人も多く、そもそも携帯電話を操作しながら移動することはできない。前回、モバイルサイトは都市部に集中しておらず全国で利用されていると説明したが、利用が都市部に集中していないのだから、移動中より自宅での利用が多くなるのは必然といえるだろう。