問題の解決方法はシンプルです。サイト訪問者からの問い合わせにすばやく反応して、ビジネスにつなげていけばいいのです。
私が知っているあるメーカーは、このスピードを武器に大きな案件を成約させました。ある時、そのメーカーに大阪を本拠とする某大手企業から問い合わせが入りました。商品であるソフトウェアについての問い合わせと、資料請求の依頼でした。少し話を聞く限り、かなり大きな案件です。
機を逃さないように、問い合わせ担当はすぐに営業に連絡し、営業の社員は連絡を受けたその足で、パソコンを持参し、デモストレーションに向かいました。メールで問い合わせを受けてからこの間、1時間も経っていません。
営業の訪問を受けた企業はこの対応の速さに驚き、そして感動したようです。おそらく他の企業にも資料請求を行ったと推測されますが、競合企業はまだ動いていなかったのでしょう。そして素早い対応した結果、その案件はとてもスピーディーに、そしてものすごい額で成約したのです。

もちろん素早い対応をするだけで良いというわけではありません。B to Bの場合は規模の大きい商談になりやすいので、契約までに日数もかかります。この間、細かいフォローを入れていくことも成約に得るためには必要となります。
以上が3つ目のハードルの越え方です。最近ではひとつ目のハードルを乗り越えていく企業は多いのですが、2つ目、3つ目となるとまだまだという状態です。では次に2つ目のハードルの超え方、つまりWebサイト(ランディングページ)をどのように工夫すれば、ビジネスにつなげられるのか、説明していきましょう。
LPOの背景
最近注目されているLPO。実は10年前からLPO自体は存在していました(当時LPOという名称ではなかったのですが)。それなのにどうして今、またLPOなのかというと、それはひとつ目のハードルを乗り越える企業が増えてきたからです。SEM(リサーチエンジンマーケティング)が浸透し、ニーズのあるユーザが自社サイトに訪れるようになったのです。
ただし、アクセスログが発展し、詳しく解析できるようになると、ニーズを持った(契約の)見込み度の高いお客さんが訪ねて来ているのに、すぐに帰ってしまっていることもわかるようになりました。
アクセス解析について詳しく知りたい方は、MarkeZineのアクセス解析に関する連載「水野貴明@はてなの“技術から学ぶ”アクセスログの読み方」をどうぞ。
この原因としては下記の2つ考えられます。
- 広告(キーワード)が悪い
- 自社サイトに問題がある
当時、私たち広告代理店は、前者の広告(キーワード)が悪い場合は、手を打つことができましたが、後者の場合は手を入れることはできませんでした。けれどもサイトに問題がある場合でも、広告が目指す成果につながっていないと思われ、広告を削られてしまう残念なケースもありました。
それで広告代理店からSEMだけでなく、「Webサイトの改良」の提案も出されるようになり、現在のLPOへと発展していったと思われます。
またアクセスログの解析が一段と高度になってきたおかげで、今は「このページで帰ってしまっているのは、このページと他のページとの流れが悪いんじゃないかな」と考えられたり、あるキーワードで多数のユーザが訪れているのに、あまりにも直帰率が高いと、「サイト自体に問題があるんじゃないか」と分析することができるようになり、LPO対策を講じる企業が増えてきたのです。