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MarkeZine Day 2025 Retail

アイレップの現場担当者に聞く「アクセス大幅向上作戦」

コンバージョンへの最終関門
エントリーフォームへの細やかな気配りを忘れるな

何がユーザーの離脱を生み出すのか!? 最適化の法則

 では、その貴重なユーザーは具体的にどういったことで「ストレス」を感じるのか?

 自分がユーザーになったつもりで貴方のWebサイトのフォームに入力し、最後のコンバージョンまで体感していただくのが手っ取り早い(その場合、客観的な目を持っていただくことが最も重要)。

 以下に例を挙げさせていただく。

入力項目の数

 適正な数になっているだろうか?  ビジネスモデルによってユーザーに求める情報が異なるため一概に言うのは難しいのだが、画面を何度スクロールしても入力項目が続くような状況になっていないだろうか? 辛抱強くないユーザーであれば、「項目が多い」だけでうんざりしてしまうはずだ。せめて、項目の中でどれが「必須」なのかは目立つように記載しておくべきであろう。

ステップ記載

 ユーザーが今どこにいて、次はどんなことをする必要があり、コンバージョンまであと何ステップなのか、記載しているだろうか。先が見えないフォームでは不安を感じるユーザーだって多いに違いない。

ステップが安心につながる
ステップが安心につながる

入力例

 例えば電話番号1つとっても、全角/半角、ハイフン有/無、携帯/自宅と複数の候補が考えられる。ユーザーがスムーズに理解できる図のような記入例を記載したうえで、半角であれば半角である旨を必ず伝えよう。

具体的な入力例を示す
具体的な入力例を示す

入力制限

 前述のとおり、入力例を設けるのは重要だが、それでも誤入力をしてしまうユーザーは少なくない。ならば、フォームのソースコード上で最初から半角入力のみなどの制限を加えるという選択肢もある。ただし、これが正解とは限らない。両方の入力を許可しておいて、プログラム側で自動的に半角に置換するといった選択肢もあるからだ。両方を試し、どちらがコンバージョン率が高いのかテストすることをぜひともおすすめしたい。

不要なアンケート項目

 入力項目の末尾にアンケート項目を掲載し、「必須入力」としているフォームも少なくない。しかし、ユーザーにとってはアンケート項目まで入力する義理はないのだ。さまざまな目的があって掲載しているであろうアンケート項目そのものを否定するつもりはないが、本当に「必須入力」項目である必要があるのかどうか再度ご検討いただきたい。

ボタン

 「確認画面へ進む」ボタンは大きく目立つように配置しているだろうか。デフォルトのSubmitボタンにしてしまっていないだろうか? ボタンは大きく掲載することをおすすめする。まして「戻る」や「リセット」を掲載しているフォームであればなおさらだ。「戻る」や「リセット」の方を大きくしてしまっていたり、同じ大きさにしてしまっていたりしないだろうか。入力が完了しているのに誤って「リセット」を押してしまったらどう感じるかは言わずと知れたことである。

 少なくとも次のステップに「進む」ためのボタンは最も大きく、他のボタンとは異なるクリエイティブで目立たせる必要があるだろう。

エラーメッセージ

 いかに記載例を丁寧に記載し、入力制限を行ったとしても誤入力を行うユーザーがゼロになることは極めて難しい。そういったユーザーは入力完了後、確認ボタンをクリックした後に入力の不備を指摘されることになる(AjaxやFlashなどのリッチフォームは除く)。不快なメッセージで指摘してはいないだろうか?

 例えば、電話番号を半角で入力してほしい場合に、全角で誤入力してしまったユーザーに対して以下のどちらが不快に感じるか言うまでもない。

 【×】「※エラー:電話番号が不正です」

 【○】「※電話番号は半角数字でご入力ください」

 また、何をどう直せば良いのか明快かつ簡潔に伝えているだろうか? この要件を満たすために重要なのは以下2点である。

エラーメッセージの掲載位置

 エラーメッセージがフォームのヘッダー部分に集約して一括表示されていては、ユーザーはどの項目が指摘されているのか目線を上下させなければいけなくなる。エラーメッセージ自体が対象の項目のすぐ近くに表示されれば、ユーザーも直感的にエラー箇所を把握できる。

具体的な修正内容の指摘

 前述の電話番号の例を再度使わせていただく。

 【×】「※エラー:電話番号が不正です」

 【○】「※電話番号は半角数字でご入力ください」

 前者の「電話番号が不正」は、何が不正なのか、どう修正したら良いのか分からない。後者の「電話番号は半角数字でご入力ください」は、簡潔に半角で再入力してほしいことが伝わってくる。

 重ねてになるが、フォームの訪問ユーザーは「見込み客」である。“気配り”をお忘れなきようご注意いただきたい。

サンクスページでも“気配り”を

 コンバージョン完了後のページ(いわゆるサンクスページ)でお礼のメッセージやTopページに戻るための導線は設置されているだろうか? コンバージョンユーザーをいかに不快にさせないかはリピーターに繋がるか否かの大事な“気配り”だ。

 また、メールアドレスの入力が必須のフォームでは、入力した情報の確認メールを送ることも重要だ。確認メールが飛んでこないのでは、本当に受付が完了したのか不安になるユーザーもいるだろう。

細かな“気配り”が数字につながる

 いかがだろうか。このように基本的なことのみに絞り込んで、ほんの一部、例を挙げただけでこれほどまでに考える余地があるのだ。ささいなストレスが結果的に『離脱』を招く反面、細かな“気配り”がユーザーの離脱を軽減する。それがフォームである。

 EFOに万事共通の正解などない。トライ&エラーを繰り返して貴方のWebサイトオンリーの正解に近づけていってほしい。

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この記事の著者

清村 秀明(セイムラ ヒデアキ)

株式会社アイレップ LPOグループ LPOコンサルティングチーム ディレクター
2000年にWeb業界に飛び込み、Web更新オペレータ、Webプログラマを歴任。日々刻々と進化するSEM業界に惹かれ2005年にアイレップに入社。
現在は株式会社アイレップ LPOグループ LPOコンサルティングチーム に所...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/06/12 11:00 https://markezine.jp/article/detail/7334

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