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本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

本当に“コストをかける意味”があるのかをしっかり吟味
アクセス解析サービス導入前の心得


有料アクセス解析サービスのメリット(2) サポートの充実

 会社の規模や利用人数が増えてくると、サービスの問題より、それを使いこなすための運用と教育が重要になってきます。前回の課題を洗い出すところでも、運用や教育の話をいたしました。無料サービスは基本的に、そういった課題を解決するためのサポートを提供していません。しかし有料サービスの多くは様々なサポートを、無料・有料かは内容によりますが、提供してくれます。

 例えば以下のようなサポートを得られます。

サポートの例
  • 電話でのサポート
  • コンサルティング業務
  • 導入対応(打ち合わせの場での導入説明等)
  • 充実したマニュアル
  • 他導入企業の事例やノウハウ共有
  • サービス利用のためのトレーニングコース
  • 個別のSLA(サービスレベル契約)やNDA(秘密保持契約)が結べる
  • 常駐スタッフの手配
  • 定期的なサービスのバージョンアップ(改善)

 ベンダーによって得意・不得意があります。そのため、上記が全て満足行くレベルで提供されているか? というと一概には言えないのですが、少なくとも無料サービスと比較すると、充実している事は間違いないと思います。これらサポートの質は、ベンダーあるいは代理店に支払うコストと、そこで働いている人の個人力にも依存します。なので、使ってみないと良いか悪いかがわかりにくい部分でもあります。

 会社によってはこういったサポートが無いと、運用や問い合わせ業務が回らず、サポートの有無とその質が最重要項目になる可能性も大いにあります。

 豊富な機能、サポートの充実という大きな2つのメリット以外に、次の点もメリットとしてあげられるかもしれません。

有料アクセス解析サービスのメリット(3) 安定性と信頼性

 有料サービスを提供している会社は、それが自分たちのビジネスの中心あるいは重要な位置づけである事が多く、簡単にサービスを停止したり、カスタマーに大きな不利や悪い印象を与える変更をしたりというものはなかなか出来ません。もちろん収益性が悪化すれば話は別ですが、そういった情報は得てして早い段階で入ってきたりします。

 無料サービスの場合は、仕様変更やサービス停止などがいつ起きるかわかりません。また、その場合のデータの取り扱いがどうなるか? というのも明記されていない場合があります。そういった意味では、有料サービスの方が、保証やリファンドなどがしっかりしています。

 しかし、現在の景況感も含めて考えると、一概には言えない可能性もあります。ただ、現時点においては無料サービスより有料サービスの方が安定性及び信頼性においては上だと言えます。

 またPVが大きいサイト(月1千万PV以上あたりから)は、無料サービスでは対応してくれないケースもあります。この場合は、有料サービスを検討する必要があります。

 上記のメリットで、皆さんが抱えている課題は解決できそうですか?  また、これらのメリットはあなたの会社に当てはまるでしょうか? 有料アクセス解析サービスがどうしても必要な場合もありますし、無料サービスで充分な場合も多くあります。どちらが良い悪いという事ではなく、会社にとってオンラインマーケティングがどのステージにあり、どういう戦略を持っているのかという事も影響してきます。

 個人的には「効果最大化から効果最適化(多くの成果を獲得するのだけではなく、商品ごとあるいはジャンルごとに効果を差配する)へ移行するステージ」に入った時が、有料アクセス解析サービス導入の時期という風に考えています。ここら辺の詳細は連載の後半でまた書きますね。

自分の味方を探せ

 無料アクセス解析サービスを導入する3つ目の理由は、実際に導入し課題を見つけ出していくうちに、自分の味方を探し出すことです。

 アクセス解析経験者や興味を持ってくれる人、実際にレポートを出したり、導入をする人だったり、サイト改善をする人。こういった人たちとヒアリング&協力をする事によって、自分たちの味方を作ることが出来ます。少なくとも上記の人達が、名前付きですぐに思いつくような状態にはしておきたいところです。

 アクセス解析を浸透させていくために彼らは非常に重要になります。一緒に無料アクセス解析サービスの課題を見つけ、無料アクセス解析サービスを使ったレポート・分析・改善事例を作って、社内に共有しておきましょう。

 アクセス解析を使うことによって「サイトが改善できて、利益に貢献する」という思いを伝え、多くの人に「共感」してもらいましょう。それがIT部門での優先度上げ、マーケティング部門での積極的活用、最適な人材確保の実現など「協働」に繋がります。

 将来的に有料アクセス解析サービスへの導入に踏み切る際にも彼らの事例や成果を経営陣に伝えることが重要になります。ぜひ仲間を見つけてください。

 以上、2回に渡って無料アクセス解析サービスを導入する3つの目的をお話してきました。

 次回は、ある企業を例に、「何故有料アクセス解析サービスを導入しているのか?」というお話と共に、有料アクセス解析サービスを導入するにあたり、改めてチェックしておくべきポイントをまとめましたので、紹介していきたいと思います。

第4回は7月2日 11時に公開予定です。お楽しみに

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/08/17 16:33 https://markezine.jp/article/detail/7431

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