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本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

有料アクセス解析サービスを使う前に見直すべき9つの項目

 今回は最初に、ある企業の事例を見てみたいと思います。なぜこの企業は有料アクセス解析サービスを使っているのか? についてお話をしていきます。【バックナンバー】

なぜ、高額な料金を払ってまで利用するのか?

 ある企業の事例を紹介いたします。一部、規模や要件などは変えていますが、導入理由は変えていません。この会社は年間で数千万円~億単位のコストを払って有料アクセス解析サービスを使っています。それにはいくつかの理由があります。

ツールの連携

 この企業では数十ものサイトを運営しており、分析対象となるサイト群は、それぞれステージが大きく違います。基本的な指標だけしか見ていないサイトは、無料アクセス解析サービスの機能だけでこと足りるものの、進んでいるサイトは機能が足りていません。

  • ローデータを落として、会員DBと紐づけて、メールマガジンやサイト内特集の最適化を行いたい
  • サイトへの流入量をコントロールし、案件を掲載している会社に対して、多すぎず少なすぎずのコンバージョンを送りたい
  • 内部検索システムを最適化して、掲載している企業に毎週応募がある率を50%から80%にあげたい
  • 在庫の数に応じて、ユーザーの導線を変えたい

などなど、さまざまな部分で他のツールやデータとの連携を必要としてたり、細かい単位でのコンバージョン数のコントロール(増やすだけではない)事が必要です。

 これらのサイトに対応するために、アクセス解析データのダウンロードによるBIツールとの連携や顧客・商品情報のアクセス解析ツールへのアップロードが必須でした。

社内メンバーへのサポート

 また、利用者が100名程いて、利用者に対するサポートや教育を満足行くレベルで提供するのも、無料アクセス解析サービスを提供している会社では無理でした。

 人の入れ替わりも激しく、年に100人のうち30人くらいは担当が変わります。社内メンバーでトレーニング、マニュアル作成、勉強会などを行ってきましたが、アップデートが追いつかなくなってきました。また、月100件以上くる問い合わせへの回答スピードも平均して5営業日近くかかっていました。

 これを解決するためにアクセス解析サービスを提供している会社さんに、問いあわせと教育のお手伝いとをしてもらうために、1人、会社に常駐をしてもらっています。また、専用の数名体制のチームも組んでもらい、今後の進め方や、教育方針を一緒に考えています。

サイト横断での比較・分析

 さらに今までは、サイトごとに独自でアクセス解析サービスを使っていました。しかし、集客コストが削減されているこの景況感の中で、サイト横断での比較や分析を行って相互集客や連携などを検討する必要が出てきました。

  複数サイトを横断して分析する機能が必要になりました。またこれに関連して、以前は部署を移動すると、新しいアクセス解析サービスを覚える必要があり、その工数がサイト改善スピードに影響を与えていたのですが、統一サービスを使うことにより、この問題も解決に向かっています。

安定性の保持

 安定性や信頼性もとても重要です。

 正しいデータが時間どおりに出ないことによる影響は、リスティングやアライアンスはもちろんのこと、現場の営業にも大きな影響を与えます。正しいデータが数時間あるいは1日取得・閲覧できないことによる、機会損失は数千万円を下りません。

 だからこそ、大規模なサイト群でも安定的かつ正しくデータを提供してくれる可能性がより高い有料アクセス解析サービスを選んでいます。自分達の会社のPV規模以上での運用およびサポート実績を持っていることがツール選定の大きな要素となっています。

 これらを実現するためにかけているコストは莫大です。しかし、無料アクセス解析サービスを使い、自分たちでサポート・教育・運用をすべて行い、機能不足をガマンしながら、リスクを抱えることを考えたら見合った投資だという風に思っています。

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/07/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/7432

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