SEOとは?
改めて論ずる程のことでもないが、SEOとは“Search Engine Optimization=検索エンジン最適化”の略である。一般的に、特定キーワードでの検索結果上位に特定のWebサイトを表示するための技術手法と捉えられているが、本当にそうなのだろうか?
ユーザーと情報のタッチポイントを増やす手段
先にも述べたが、SEOとは特定キーワードでの検索結果上位に、特定のWebサイトを表示するための技術手法と一般的に捉えられており、上位表示のためだけにリソースを注ぎ込むWeb担当者やSEO業者も少なくない。
しかし、Webサイトを運営する本来の目的をよく考えていただきたい。特定キーワードで上位表示することは手段であり目的ではないはずだ。情報提供者という立場にいると忘れてしまいがちだが、重要なことは、SEOという「手段」ではなく情報提供という「目的」ではないだろうか。
つまり、「訪問者の増加」「ページビューの増加」「売上の向上」など、Webサイトを“どのような状態にしたいのか”という目的を明確にし、ユーザーが必要な情報に簡単・即座にアクセスできるWebサイトを構築することが重要なのである。平たく言うと、検索順位の最適化だけではなくWebサイトそのものを最適化するという観点が必要である。
例えば、SEOという手段で上位表示を実現しても、検索結果に表示されるWebサイトの説明文が魅力に欠けていたなら、ユーザーはそのWebサイトを訪れないだろう。
また、検索結果から遷移したWebサイト内の情報がユーザーの抱いていたイメージとかけ離れていたなら、すぐさま検索結果に戻ってしまうだろう。なぜなら、SEOとは情報マッチング技術であり、ユーザーと情報のタッチポイント(接点)を増やす手段に過ぎず、タッチポイント次第でユーザーが目的を達成するプロセスがどのようにも変化してしまうからだ。
ここで、くせ毛で悩んでいる花子さんを例に考えてみよう。
つい先日「自宅でできるストレートパーマはないか?」と、あらゆる情報を検索していたときのこと、リーズナブルな値段でストレートパーマを提供している美容室のWebサイトが目にとまった。「自分でパーマをかけることが面倒」と考えた花子さんは、その美容室を予約し、後日店に足を運ぶことにした。
つまり、花子さんは自宅でできるストレートパーマを求めてはいたが、悩みの解消が本質であった。すなわち、悩みを解消することができれば、くせ毛用のシャンプーやスタイリング剤を購入していたかもしれない。
このように、ユーザーは様々な情報の中から最も有益な情報を選択する。つまり、ユーザーが求めていることの本質を見落とし、上位表示のためだけにリソースを注ぎ込むと、SEOというユーザーへの包囲網を張ったにもかかわらず、誰にも何も訴求できていないという事態が起こり得る。これでは本末転倒だ。