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本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

いよいよ導入開始!ゴールを分解して考える要件定義
【リクルートのアクセス解析担当者が明かすノウハウ】


 前回までで選定プロセスが完了しました。いよいよ、新しいアクセス解析サービスをサイトに導入していきます。導入プロセスには要件定義、タグ設計、タグ実装とテストの3つのステージがあります。今回は導入プロセスにおいて重要な「要件定義」について紹介をいたします。【バックナンバー】

導入プロセスの3つのステージ

 前回で選定プロセスが完了したので、いよいよ今回から、新しいアクセス解析サービスをサイトに導入していく段階に入ります。導入プロセスには「要件定義」「タグ設計」「タグ実装とテスト」の3つのステージがあります。また、企業で複数サイトにアクセス解析を導入するための「全体管理」も必要になってきます。

 今回は、導入プロセスにおいて重要な「要件定義」について解説していきます。

サイトのゴールを元に、計測する項目を洗い出す

 改めて要件定義とは何か? というのを考えてみましょう。アクセス解析サービスの導入における要件定義は、「サイトのゴールを元に、計測するべき項目を洗い出し、それに対して優先順位をつけてまとめる事」と位置づけられるかと思います。

 以後、3つの段階の詳細を順を追って解説していきます。

 まずは「サイトのゴールを元に」という部分です。ここではサイトのゴールを考えてみましょう。これはサイトの種類によって変わってきます。

 いわゆるECサイトであれば「売上の最大化」「メールマガジン会員の獲得」などがあるでしょう。メディア系のサイトであれば「PV数をなるべく多く増やす」「滞在時間を長くする」など、リードジェネレーション(見込み客獲得型)であれば「資料請求や問い合わせの数」などが考えられます。

 まず気をつけなければいけないのは、サイトの複数のゴールを同じレイヤーで語らないということです。「売上の最大化」「メールマガジン会員の獲得」はそれぞれサイトのゴールかもしれませんが、同じレイヤーではありません。売上を最大化するために、メールマガジン会員の獲得があり、「売上」というゴールがより上位のゴールになります。

 サイトのゴール(≠見るべき指標の数)はなるべく1つにしましょう。例えば、ECサイトでの最大の目標は「売上の最大化」であることが多いかと思います。

 アクセス解析を利用し、売上の最大化をするためには、この最大の目標を分解する必要があります。そこで、次のように「売上」をできるところまで分解していきましょう。これを行うことによって、「計測するべき項目を洗い出し」につながります。

売上の分解例

※ご指摘をいただいて修正をしております(2009/08/21)

 売上=購入回数×1購入あたりの平均売上単価

 ↓

 売上=訪問回数×購入率×1購入あたりの平均売上単価

 ↓

 売上=(新規訪問+リピート訪問)×(カート到達率×カート遷移率)×1購入あたりの平均売上単価

 ↓

 売上=(新規訪問+リピート訪問-直帰訪問数)×(直帰を除いたカート到達率×カート遷移率)×1購入あたりの平均売上単価

 

 時間あたりの売上=((新規訪問+(リピーターの平均訪問間隔×リピーターの平均訪問頻度)―直帰訪問数))×直帰を除いたカート到達率×カート遷移率)×1購入あたりの平均売上単価

 さらに分解する事も可能ですが、いったんここまでとしましょう。これらの項目を可視化するためにどの数字を取得するかを考えることが要件定義において大切です。ここで取得する項目が分析・改善をしていく単位になります。

 では、いくつかの項目を見てみましょう。

新規訪問

 新規訪問者を増やすためには、流入を把握する必要があります。新規の流入が多い流入施策(リスティング・SEO・アライアンス・メルマガ)、キーワード、リファラーを分析してみましょう。新規率が多い施策やワードが特定できれば、そこからの流入を増やせるかもしれません。

計測するべき項目

 キーワード別・施策別・リファラー別の新規訪問数

リピーターの平均訪問間隔

 頻度高くページへ訪れてもらう事がリピーターの訪問回数増加に繋がります。例えば、メールマガジンの配信頻度・中身によって平均訪問間隔が変わってくるかもしれません。またサイトの更新頻度なども影響してくるでしょう。メールマガジンを出した人の平均訪問間隔が通常の流入より短くなる場合、メールマガジンに工数を投下する事も考えられます。

計測するべき項目

 平均訪問間隔・メールマガジン単位での流入数・メールマガジン会員獲得コスト(CPA)

把握しておくべき内容

 メールマガジン配信および作成コスト

カート到達率

 カートページまでの到達率を指します。ここでは非常に多くの要素が影響してきます。「検索された時に検索結果が0しか出ない確率」「商品詳細ページから離脱率」「流入ページのコンテンツのレイアウトパターン」「特集の有無と効果」「商品ジャンルごとのカート到達率」「カートにたどり着くまでによく見るページおよび平均のクリック数」などなど。まずは気になる部分をとにかくリストアップしておきましょう。

 こういった洗い出しは1人ではなかなか難しいかもしれません。社内の意見を貰ったり、ベンダーにアドバイスをもらったりしましょう。この部分に関しては、多くの人の知恵があった方がよいです。

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/09/01 10:34 https://markezine.jp/article/detail/7989

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