アクセス解析サービス特有の仕様を理解する
いくつかツールによる特性がありますが、特に重要なのは「セッション」と「成果」に関する仕様です。見る事が多く、また集客施策にも影響してくるので、正しく理解をしておきましょう。以下のテストケースを元に、仕様を正しく理解しましょう。
テストケース
文章にすると次のとおりです。
1月1日22時に広告コードAをつけて初めてサイトへ流入し、1ページだけ見て離脱。23時40分に改めて広告コードAで流入。同じように23時45分にサイトへ再流入。23時50分と翌日の00時05分に成果となるページを踏む。00時15分に今度は広告コードBでサイトに流入。成果ページを1ページ見て離脱。
さて、計測期間を1月1日~1月2日としてレポートを見た場合、以下の数字はいくつになりますでしょうか?
- 期間のセッションの数(日をまたいだ場合のセッションの数え方)
- トラッキングコードごとの流入数(PVベース? 訪問回数ベース?)
- トラッキングコードごとの成果貢献数(どのトラッキングコードが紐づく? 数える単位は?)
- 期間の新規とリピートの数(新規・リピートはセッション単位で見ている? 日単位で見ている?)
すぐに答えられなくても、こういった質問を聞ける人、あるいはこういった情報が載っている場所の把握は最低限しておきましょう。
アクセス解析サービスの使い方を学ぶ
当然と言えば当然ですが、アクセス解析サービスの操作方法や出せるレポートの把握をする必要があります。使い方を学ぶためにはさまざまな方法があります。
ベンダーや社内の人が行っているトレーニングコースやワークショップに出てみる、マニュアルを元に1つずつレポートを見ていく、目的からの逆引きで必要なレポートを把握してみる、などです。
ベストな方法はありませんが、どの手法を活用するにせよ、大事なポイントが2つあります。
1つめは「疑問に思うことは書き留めておいて後から聞く」という事。使う人が自信を持たないとアクセス解析サービスを使いこなすことはできません。「この数字ってこういう条件の場合は含まれるの?」「どういった単位で計測されるの?」「こういう数値はどのレポートで見られるの?」といった疑問が浮かんだらとにかくメモを取っておきましょう。そして、遠慮無く質問をしてください。間違った認識で数値を使うには非常に怖いことです。
2つめは「レポートがどのように活用できるのか」というのを考える事です。例えば「携帯の端末別アクセス数」「1訪問あたりの平均閲覧ページ数」「週ごとのユニークユーザー数」などのレポート。これらレポートから発見できる事実・課題・改善はあるのか? ないのか? それを常に意識する必要があります。これらを整理することによって、どういう時にどのレポートを使えばいいかという理解が進みます。
個人的な勉強方法のオススメとしては、既に既存のアクセス解析サービスがあるのであれば、そこで出しているレポートを、新しいサービスで出力してみる事を強く推奨いたします。仕様の理解や、明確なゴールがあることにより、数々の疑問が出てくるかと思います。大切なのはこういった疑問を洗い出しはっきりさせる事にあります。
もし今回が新しいサービスの導入なのであれば、導入前に設定した要件定義を元に、それらを把握するための数値出力を行ってみましょう。いわゆる「モニタリングレポート」を作るといった作業になります。このモニタリングレポートに関しては、次回の連載でもう少し細かく話をします。
最後に
アクセス解析サービスの操作や仕様の理解のために、最初の数週間はお試し期間と割り切った方がよいかもしれません。実際に使ってみて初めて分かる事実や、設定したい項目などが多く出てきます。いきなり数値を元に判断を行うにはリスクが大きく、まずは正しく理解をする事に時間を費やしていきましょう。何はともあれ使ってみるしかないのです。
さて、次回は「モニタリングレポート」という物についてお話をします。モニタリングレポートの必要性や作り方、限界についてお話をしたいと思います。次回もお楽しみに。

