数値のズレは4つの要因が絡み合う
このように、数値のズレに対する扱いは難しいのですが更に状況を難しくしている要因がいくつかあるので、それらを紹介します。
状況をより難しくしているのが、数値のズレの要因は1つでは無いことです。たった1つの要因であれば簡単に解明できるのですが、紹介した4つの要因は複合的な物です。つまり「Aというレポートでは一見数値がずれてないように見えるが、2つの要因がたまたまプラスマイナス0だった」という事も充分にあり得るという事です。
また逆に、複数の要因によってアクセス解析ツールAとBでズレが10倍あるケースにも複数回、遭遇しています。どの要因がどのレポートに影響を与えるか? を紐解いて原因探しをしないといけません。
期間・ページによっても変わる
また、さらに悩ましいのが、見る期間やページによってもズレの度合いが変わってきます。リニューアルしていないページでも、集客状況などによって、5月の数値ズレが5%、6月の数値ズレが15%という事も充分あり得ます。また、上記は5%と15%という形でしたが、7月の数値ズレが-5%という逆転現象が発生する事もあります。
ズレを気にしないためのポイント
さて、ここまで読んでいただいた方は、「数値のズレってどうしょうもなくない?」と理解頂けたかもしれません。確かに数値のズレを完全に解明する事は出来ません。そして、100%合う状態には決してなりませんし、要因を全て説明する事は難しいでしょう。しかし、以下のポイントを押さえておくことで、数値のズレに対して神経質になる必要はなくなります。
- 基本的な指標(PV・訪問回数・訪問者数)などは、大きくはズレずに10%以内に収まり、時系列で見ても数値のズレは一定である場合が多い
- 数値が大きくずれやすいのは「セッション」関連のデータ。特に流入経路ごとの成果ページへの到達回数やCVRは数値がずれやすい項目となる
- 数値のズレに関する問い合わせの多くは「見ている場所が違う」「定義が違う」のどちらかに属する場合が多いです。特に「見ている場所が本当にあっているか?」に関しては必ず改めて確認を行いましょう
- 数値のズレを完全に解明する事は難しいですが、数倍~数十倍の大きな誤差がある場合は必ず何か大きな原因があり、これは解明出来る場合が多い
- 新規/リピートは、導入している期間が違う場合はどうしてもずれてしまいますし対策も打てません。これらのレポートに関しては割り切りましょう(通常、アクセス解析ツールでのデータの移行は出来ません)