アクセス解析ツール仕様のチェックポイント
アクセス解析ツールを選ぶには仕様と使い勝手の2つが大切です。
仕様については、これからチェックポイントを詳しく説明しますが、サイトの目的から成功指標を定義して、導入したツールでその指標を計測できることを確認するのが最も重要です。
後は好き嫌いもあります。1か月でも2か月でも試用できないか、ツールベンダーに相談してみるのも大事なのではないでしょうか。機能は豊富でも、運用に手間がかかって忙しくなってしまうとか、やってみないと分からないことがありますから。では、仕様面からツールを選ぶ際、こんな視点で選んでいったらどうですか、というのを説明して行きましょう。
まずはリアルタイム性。「あった方がよいな」と皆さん思われるでしょうが、リアルタイムのアクセスを見ているかというと、そんな暇な人は居ないですよね。「必要な機能だ」と言われることが多いですが、実際はほとんど使いません。ですから、リアルタイム性はあまり必要ではないかなと思います。次に、表示/ダウンロード件数の制限。意外とダウンロード件数や表示件数が2万件まで、3万件までといった制限のあるツールがありますね。
続いて、人気ページランキングでURLのグルーピングができるか。ディレクトリで大雑把に見れる機能があると良いですね。あるツールでは、第1階層のディレクトリをクリックすると、第2階層が見られるようになって、第2階層をクリックすると第3階層へと掘り下げていけます。あるいは、第2、第3も関係なく、ディレクトリを全部並列に一括で表示するタイプのツールもあります。後は論理的にグルーピングができるツールとかもありますね。
ほかには、個々人のアクセス履歴が表示できるかどうか。全体の統計データだけではなくて、AさんやBさんがページをどう遷移したかというのを表示できるかですね。セッション履歴のみ表示してくれるツールや、過去セッションを含めた閲覧履歴をすべて表示してくれるツールなんかもあります。
重要になるのは、セグメンテーションです。新規/リピーター別、コンバージョンの有無に分けて見ることができるかどうか。それらを過去にさかのぼって、すべてもう1度集計し直すことができるかどうかもポイントです。コンバージョンポイントを変えても、過去にさかのぼって全部集計し直してくれるような優れたツールもあります。
それから遷移分析ですね。あまりに細かい遷移を追っていくのは難しいので太い動線だけを表示してくれるツールだとか、ページ単位ではなくてディレクトリ単位あるいは論理的なグルーピングで遷移を見ていけるツールもあります。途中でほかのページに寄り道しても、閲覧順序が合致していれば遷移をまとめてくれるツールもありますね。
遷移はセッションごとでの分析しかできないものもありますが、セッションをまたいで人ベースで分析できるものもあります。「1回目は一般ワードで入ってきたユーザーが、2回目はブランドワードで入ってきてコンバージョンにつながった」といった指定でシナリオ設定できるツールもあります。
その他カスタマイズや制限事項も見ておきましょう。過去データの保存期間やキャンペーン分析軸の数など、いろいろと確認すべき点はあります。
ツールを選ぶ時に大事なのは、「自分で何が譲れないか」。「成功指標としてこのデータを測らないといけない」というポイントがあると思うので、譲れないポイントは何かを抑えることだと思います。あれば便利な機能ではなくて、無いと困るもの。それを押さえるのが大切です。