Webコンサル会社のアクセス解析ノウハウ
アクセス解析やWebサイト改善の提案などを生業とするWebコンサルティング会社は、どのような点に着目してアクセス解析を行い、どのようなレポートをクライアントに提出しているのか。
アクセス解析イニシアチブとMarkeZine編集部が共催したアクセス解析選定セミナーでは、Webコンサルティング会社のクリエイティブホープ代表取締役社長・大前創希氏からプロの解析レポート作りが語られた。以下、その模様を実況中継していく。
アクセス解析の前にKPIの設定から
(以下、大前氏)私どもクリエイティブホープは、Webコンサルタントとして活動する中で、アクセスログを解析し、その結果をレポートとして納品しております。これから、そこで培ったアクセス解析から、レポートにまとめていくまでのノウハウの一部をお話させていただきます。
Webで施策を打つには、現状の把握をしっかりやっておかないと、無駄な投資になってしまう可能性があります。決済権を持つ社長としてはそうなると困りますから、具体的な指標を示して成功をイメージできるようなレポートを提出しないと、なかなかサイト改善の許可は下りないものです。
投資した分を回収できるのか。投資対象とする施策の効果を判断をするためにも、具体的な指標を持たなくてはいけません。
「KPI(重要業績評価指標)」と言えばすぐにお分かりいただける方が多いと思いますが、私どももクライアントには「まずはKPIをしっかり設定しましょう」という話をします。KPIの設定ができて初めて、問題をしっかりと把握して、適所に予算を投下できるようになるのです。
現状を把握した結果、コンバージョンの改善が必要になったとしましょう。企業は何十万、何百万、何千万と毎月の広告費をかけてWebに集客しているわけですが、ランディングページ(以下、LP)から申し込みなどのアクションに誘導するまで、少しずつユーザーは離脱していきます。
その結果、集客した人数に対してコンバージョンに至った人数が予想していたよりも少なくなるなんていう問題は、どうしても発生してしまうものです。「なぜ離脱されたのか」ということをアクセスログで解析して調べていくわけですが、解決策としては、広告費に予算をかけて呼び込む母数を増やすのか、あるいは離脱を防いでコンバージョン数を増やしていくといった手段があります。