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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

マーケターが作った専門学校の話。すべらない学校経営とネットPRのコツ


毎回ユニークな事業を行っている企業の経営者にインタビューする「すべらない事業のつくりかた」。 第6回である今回は専門学校としてWeb活用を積極的に行うことで有名な、神戸電子専門学校の福岡校長にすべらない学校運営の秘訣を聞いた。

貴校はどのような学校かを教えてください

 広義な意味での「ものづくり人"財"(技術者)」を育成する専修学校(専門学校)です。

 在校生、OBや地域の皆様は "神戸電子" の愛称で呼んでくれています。
創立1958年で、現在は、IT(SE、プログラマ、電子制御、OA)、ゲームソフト(プログラマ、3DCG)、デザイン(Web、2次元、3次元、インダストリアルデザイン)、サウンド、建築等、8領域に17の学科(2~4年制)を設置しています。

 デジタル技術の活用からさらに枠を広げ、広義な意味でのソフトウェア技術者の育成を主たる領域としています。

 神戸電子では、3DCGクリエイターや声優といった職種も、高いソフトウェアエンジニアリングが求められる技術者であると捉えています。

 「人間力と品位を有する専門職業人の育成」を教育理念に掲げ、あらゆる職種に共通して必要な、仕事をする上での  "礎" とも言える問題解決力の醸成に力をいれています。 各専門技術教科の中でこれを問うことがカリキュラムの大きな特徴となっています。

福岡校長の過去のキャリアを教えてください

 ダブルスクールとして通った本校神戸電子専門学校で、コンピュータ・ソフトウェア・プログラミング技術を習得し、コナミ工業株式会社(現株式会社コナミ)に入社しました。

 ファミリーコンピュータ向けゲームソフト開発の部署に配属され、主に北米市場向けのゲームソフトプログラミングを担当し、ネットマーケティング企業の起業に携わった後、本校へ入職しました。

 学歴(学習履歴)として今の素地を作ってくれたのは、ダイヤモンド社が主催しているドラッカー塾かもしれません。トップマネジメントのあるべき姿に関し世界的な学びを得れた事は幸運であったと思っています。

一般企業での経験は、「校長」という役職にどのように役立っていますか?

 「企業の業態は変化して行くものだ」という事を知れたのは良かったと思います。

 コナミにしても、ゲームソフトから出発し、広い意味でのエンターティンメント企業を指向し、全国屈指のスポーツクラブを展開するにまでいたりました。私の入社当時は誰も予測し得なかった事です。

 人生何が起こるか分かりません。学生には、ライフワークを追い求めるなと言っています。自分探しで一生を棒に振るよりも、小さな事でいい、今目の前に有る事を形にし、それを積み重ねる事でしか答えは出ないのだと。

 「学術的な基礎も大事ですが、実践業務にも基礎は存在する」という事が分かった点も大きかったです。

 仕事で評価されずに生きる事程、辛い事はありません。フィンランドではそうならない様、小学校3年生の国語の授業で、あらゆる事に対する問題解決力を高める教育を行っていますし、今の日本の企業研修でも、殆どこれと同じ内容が最も大事な習得能力として取り上げられているように思います。以上のような、職業人として学んでおいた方が良い事を、社会で学習出来た事は大きなアドバンテージになったのではないでしょうか。

 企業経験で色々と遠回りしたことを、効果的に教育に取り組んで行きたいと思っています。

マーケティング活動が活発とお聞きしていますが、具体的には?

 今回はマーケティング関連の話がメインなので、学生募集に注力して紹介します。神戸電子では事業計画(3年度毎の中期計画と年度計画の2種類)を立案する際に、大いに参考にしているフレームが有ります。

 それは、企業経営の思考フレームとして良く活用されるBSC(バランス・スコア・カード)の基を作られた P.F.ドラッカー氏の5つの問いです。

1.我々の使命は何か?
2.我々の顧客は誰か?
3.顧客が認める価値は何か?
4.我々の成果は何か?
5.我々の計画は何か?

 組織運営上、最も大事な1番(使命)に2番(顧客セット)と3番(価値)を加えた3つを三角形状に配置し、これを毎年毎期毎月のようにぐるぐると回るよう考え、議論検討しながら答えを導き出していくようにしています。

 その上で、4番(成果)の指標を設定し、これに基づいた5番(事業計画:教育開発、学生募集施策)の策定とその達成へと向かって行くわけです。この2番、3番が、ご質問のマーケティングにあたると考えますが、これを導き出すには出来得る限りの手を尽くします。

 紺屋の白袴と言われそうですが、これまでは新入生への各種アンケートに始まり、高校訪問や教育機関広報誌からの情報提供からの分析等が中心でした。

 昨今やっとIT活用、特にWebによる入学志望者層の動向解析に力を入れ始めましたが、これに関しては外部の専門家(クリエイターやアナリストで構成されたチーム)によるコンサルティングに大いに助けられています。

最近はどのようなマーケティングに力を入れていますか?

 本校の広報を担当する部署(企画部)の業務はこれまで、企業で言うところの「宣伝」、「営業」に特化していました。ですが、マーケティング的な分析を基に、本年度からその構造を変えつつあります。真の意味での「広報」機能を加えようと、いうアプローチです。

 「日本一ニュースを発信する学校」の指針の基、現在、学校一丸で取り組んでいます。学校の強みや校外との取組みを、より早く、より広い層に対し、より強く興味を持って頂ける様、あの手この手で発信できる体制づくりを行っています。

 自身も含めた全職員がこれを実現し得る為の教育を受け、真の広報(ブランディング)を実践していけることを目指しています。

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/12/28 16:50 https://markezine.jp/article/detail/9238

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