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本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

社内にアクセス解析を浸透させるためのヒント(前編)
【リクルートのアクセス解析担当者が明かすノウハウ】

「難しくて使い方がわからない」への解決方法

 アクセス解析ツールを理解することは難しいです。

 ツールごとに仕様が違ったり、よく分からない略称や単語のオンパレードだったり。データが出ているのは分かるが、その意味とそして特にその「使い方」が分からない場合が多いです。

 サイト全体のページビューやコンバージョンレート(Conversion Rate)が減ったり増えたりしているのは分かります。でも、それがなぜかわからない。つまり、どうアクセス解析ツールを活用して分析したら良いのかが分からない場合が多いです。

 では、このアクセス解析が難しいということに関しての解決方法ですが、「まずは細かいことはイチイチ気にするな!」というのが大切です(笑)

 「最初にあまり細かいことを詰め込んで教えない」あるいは「理解しようとしない」ことが重要です。セッションが繋がる条件、集客の流入の数え方、ユニークユーザ-数の足し上げ問題、docomoのSSLとリファラーに関する仕様、リダイレクト時の挙動などなど…。さまざまな細かいルールや仕様があります。

 しかし、これらを最初から理解する必要はありません!

 大切なのは、「見方」や「見ることよって得られる情報」です。いったん細かい仕様に関しては説明をせず、5種類のドキュメントを作ることをオススメいたします。

「レポート軸」のドキュメント

 それぞれのレポートがなぜ用意されていて、見ることによって何が分かるか。またさらに情報を得たい場合はどのレポートを見ればよいか? という内容です。アクセス解析ベンダーのマニュアルを元に、見ることによって得られる情報を加筆するという形で作るのも良いかもしれません。

 表示されているレポートを元に学びたいという方に向いています。全体を広く網羅して、理解をする方法です。個人的には説明書を見てから家電製品を使ったり、ゲームをしたりする人に向いているかと思います(笑)

「目的軸」のドキュメント

 レポート軸ではレポートごとの説明でしたが、ここでは目的に応じて見るべきレポートを説明するドキュメントになります。ざっくりと「売上を上げたい」とか「ページビューを増やしたい」だとドキュメントの作成が難しいので、もう少しだけ分割して作成をしましょう。

 例えば「PVを増やしたい」のであれば、「流入が多い参照元とキーワードの見方」とか「閲覧PV数が多いユーザーの特定」などになるかと思います。サイトでの課題や目的がある程度わかっている場合には、すべてのレポートを覚えるというよりは、必要な情報だけ学ぶという方法が非常にオススメです。

サイト基本分析表

 これはサイトで初めてアクセス解析を導入した場合は、あるいはサイトの課題を発見するためのドキュメントです。まず何をすれば良いか分からない?という人に、「まずはここを見てみると良いよ」というのをガイドしてあげる物です。

 汎用的にいろいろなサイトで使える物ですので作成をしておく事をオススメします。私自身のブログで、自分が作ったものを公開しているのでこちらをベースに作ってみるのも良いかもしれません。

数字の見方

 このドキュメントは非常に忘れがちかつ、私自身もきちんとした物を作れていないのですが最近非常に大切だなと思うドキュメントです。

 アクセス解析に関係なく、統計に関する基礎やグラフや数値の見方を説明した物です。例えば「複数の指標を1つのグラフに乗せることのメリット」「棒グラフ・線グラフ・円グラフ・散布図の使い分け」「季節トレンドの読み方」「大数の法則や平均の考え方」「表とグラフの使い分け」などなど。

 アクセス解析は「データ」なので、その「データの見方」そして「見せ方」も学んでおく必要があります。これもアクセス解析を覚えるときにあわせて覚えると良いかもしれません。

仕様のレファレンス+FAQ

 細かいことはさておき…という形でこの項目を説明いたしましたが、いずれ詳細が知りたくなる時が必ずやってきます。そのために、各種マニュアルや過去にベンダーや代理店に聞いたFAQなどは、どこか一箇所にまとめておきましょう。

 ジャンル分けしてタグ付けしてなどをやると時間がかかるので、とりあえずどこかのフォルダに各種情報がまとまっているという状態にまずはしておきましょう。必ず役立つ時が来ます。

 最初の2点の説明だけで、相当な量になってしまいました。残りの4つの項目に関しては、来週と再来週の記事で紹介させていただきます。乞うご期待!

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/01/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9253

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