特集を作ってもユーザーが来なければ意味がない
ECサイトにおいて、特に売りたい商品がある場合や、季節によって売れる商品(母の日のカーネーションなど)がある場合、特集記事を組んでユーザーの訴求を強める施策を取るケースが一般的だろう。
このとき注意したいのが「特集を組んでも必ずしも集客はできない」ということだ。マーチャンダイジング視点で特集を組むと、そもそもユーザーが求めていない(流行ではない)商品を特集してしまったり、ユーザーが求めている部分(機能やデザインなど)の訴求ポイントを間違えたりする可能性がある。つまり、作ってみて初めて人が集まるかが分かるような「受動的」なコンテンツになるのだ。どんなに制作費をかけ、作りこんだコンテンツでもユーザーに見られなければ意味がない。
そこで活躍するのが「ブログクチコミデータ」である。ユーザーの生の声を実際のマーチャンダイジングと制作に活用することで、効率的な集客ができコンバージョンが高まる可能性の高い「能動的な」コンテンツ制作が可能となる。
それでは、「能動的な特集」は実際にどう作っていくのか?」これからオンシーズンとなる「バレンタイン」でどのような商品選定をし、どのような特集にすべきなのか、ブログクチコミデータを用いて検討していく例に沿って説明したい。
Step1:ブログコチコミデータからバレンタインのユーザーニーズの確認と制作する時期を判断
まずは、「バレンタイン」というキーワードでどの程度ブログクチコミ数があるのかを図1に記す。なお、データはバレンタインのニーズが大きくなる、2008年12月28日週~2009年2月15日週を用いる。
図1より、年末から徐々にバレンタインのブログクチコミ数は上昇し続け、バレンタイン当日の週では13万件以上になる。ウェブ上でもバレンタインの話題はかなりのボリュームが存在し、ユーザーのニーズが高いことが分かる。
また、SEO(検索エンジン最適化)の観点でも、バレンタインの検索ニーズが顕在化してくるのもブログクチコミ数の増大と比例していると考えられるため、2月に入ってから特集コンテンツを用意するのではなく、あらかじめ制作しておくことが重要だ。理由は2つある。まず、年末から増えるユーザーを逃してしまうということ。そして、肝心の2月、バレンタインシーズンに検索上位表示が見込めないということだ。
検索エンジンがページを認識する精度は高まっているものの、一朝一夕で十分な順位が得られるとは限らない。コンテンツをあらかじめ用意しておくことで、検索エンジンが認識し、評価する猶予を与えることも必要である。