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海の向こうから学ぼう!大山忍のニッポンマーケター応援宣言

ウェブ解析担当者に求められる4つのスキルと4つの役割

ウェブ解析担当者の役割~社内啓蒙

最適化アクションを起こすための社内啓蒙

 ウェブ解析担当者の1番の醍醐味と言えるのが、データに基づいてビジネスの改善を行い、数字で結果を出すことでしょう。米国のオンラインマーケターの場合「数字的な結果がでる楽しみを一度経験してしまうと、もう2度とウェブ解析ツールを手放せなくなる」と感じている方が多いようです。

 とはいえ、Webのプランニングや制作といった現場の担当者たちに、ウェブ解析のデータを活用して改善アクションを起こしてもらうのは一朝一夕ではいきません。そこで、“オンラインマーケティングの専門知識”と“コミュニケーション”のスキルを活かし、社内啓蒙をすることがウェブ解析担当者の重要な役割となるわけです。現場担当者への啓蒙活動には、大きくわけて3つの活動が必要です。

 1. 社内トレーニング
ウェブ解析レポートへのアクセス権を現場担当者へ提供する場合には、基本的なツールの使い方とデータの定義について、社内トレーニングをする必要があります。まずは、そのツールによってどんなことができるのかを理解してもらい、データに興味を持ってもらうことが重要です。

 2. KPIレポート
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で主要業績評価指標とも言われます。ビジネスゴールに紐づけ、5~7つに絞り込んだ指標を定点観測することにより、現状のビジネスの進行状況に問題がないか“警報機”のような役割を担います。

 KPIは、数字の上昇・下降が見られたときに、それらの要因を探る判断基準となります。マイナス要因の場合にはビジネスの損失を食い止めるための対応策を、プラス要因の場合はビジネス機会を最大限に生かすためのアクションへ導くために活用されます。

 ただし、KPIレポートを担当者へ配布したとしても、その数値の意味がわからない場合が多々あります。そのため、ウェブ解析担当者は現場担当者が分かるように、そのKPIから読み取ることができるビジネスインサイトや具体的な改善策を添えるといったウェブ解析担当者のひと手間が、組織への浸透度を加速させます。

 3. 分析レポート
ウェブ解析ツールを活用する上での最終ゴールは、広告出稿担当や、特集ページの制作担当、商品の仕入れ担当など、“現場の担当者が各自でウェブ解析のデータから仮説検証し、改善アクションを起こす社内文化を定着させること”です。

 そのためにウェブ解析担当者は、各担当者の業務に関連するデータをウェブ解析から抽出し、そのデータを読み解くヒントやデータに基づく改善案を提供することが求められます。そして、最終的には各担当者がデータからビジネスインサイトを導き出せるようにサポートをします。

 ウェブ解析担当者が、社内のコンサルタント的な役割を担い、各部門の分析を担当するという事も1つの方法です。

 しかし、データの意味やそこから導き出す次のアクションはそのビジネス背景を熟知しているかいないかで気づきの深さが異なりますので、最終的にはビジネスに直接かかわる現場担当者が分析できるようになることを目標にすることを推奨します。

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ウェブ解析担当者の役割~経営判断に活かす文化の浸透

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この記事の著者

大山 忍(オオヤマ シノブ)

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。

2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/02/08 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9381

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