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総力特集:どうなる2010年?モバイルマーケティングの未来

「指」ではなく「人」を動かす広告へ
業界キーマンD2C藤田氏が予見する2010年のモバイル広告

マーケティングプラン成功のためには“行動絵コンテ”を描け

 ソーシャルアプリ、動画、オートGPS、スマートフォンと、PC以上に最新技術・サービスが続々と登場してくるモバイル業界。新しいものだからといって踊らされずに、ターゲット層が使っている機能・サービスを見極める目が必要だという話は既に出たが、それ以外にもモバイル広告を活用したプロモーションを成功させる秘訣はあるのだろうか?

「テクノロジーが発達・普及しても、それに合わせてアイデアを出して、『人を動かす』『心を動かす』ところまで落とし込めるクリエイティブを作れないと、実績の出るマーケティングプランにはなりません」

 そうしたクリエイティブを作れる人材はまだモバイル業界には少なく、テレビや新聞・雑誌など他メディアの広告業界から見つけてくることが重要だとも語る。

 さらに藤田氏は、「テレビでいくら、新聞・雑誌でいくら、あまった予算でモバイルに広告」といったように広告展開を考えるのではなく、マーケットインの発想が必要だと主張。テレビCMの絵コンテを描くより先に、顧客が商品を知ってから購入に至るまでの“行動絵コンテ”を考えてからマーケティングプランを組み立てるべきだと訴える。

「ユーザーの動向を考えると、モバイルがユーザーに1番近いところにあります。行動絵コンテを作っていくと、従来のテレビCMから考えていた発想の順番が変わるはず。21世紀の広告スタイルは、まずモバイルで広告を始めることなのではないでしょうか」

第8回モバイル広告大賞入賞作品「AXE WAKE-UP SEVICE INC.」のシステムフローとサービス画面
ユーザーがAXEを最も利用する朝を基点にコミュニケーション機械を創造した
第8回モバイル広告大賞のマーケティング部門で入賞したフレグランス商品「AXE WAKE-UP SEVICE INC.」のシステムフローとサービス画面。ユーザーがAXEを最も利用する朝を基点にコミュニケーション機械を創造した
マス広告を起点とした発想ではなく、生活者の行動スタイルに合わせた行動コンテからの発想が必要となってくる(※藤田氏資料より抜粋)
マス広告を起点とした発想ではなく、生活者の行動スタイルに合わせた行動コンテからの発想が必要となってくる(※藤田氏資料より抜粋)

 そう語る一方で、PCやモバイル広告のみで広告を展開して、CPCやCPAといった費用対効果のみを追求するのも危険だと警鐘を鳴らす。特に画期的な新商品などのマーケティングプランを考える際にはなおさらだという。

「CPCやCPAにこだわり過ぎては、母数を小さくしてしまう。モバイルを含めたインターネットである程度成功してから、マス広告を展開するのが良いと思います。画期的な商品をマーケティングする際、ネットだけでは成功しても1年くらいで商品の寿命が終わってしまう。リスクをまったく負わずに効果・効率だけを追い求めていては得られないブルーオーシャンがネット広告の先にあるのです。リスクを抑えるために、まずはインターネットのコミュニティをうまく使いましょう。モバイルであれば、クーポンなどの販売促進とコアユーザーの育成両方に活用することが可能です。テストマーケティングとして、モバイルでプロモーションを展開してサイバーコミュニティーでコアなファンを作り、彼らの声を聞いて、手応えやプロモーションのヒントを得てからマス広告を活用し、一気に認知度を高めるのが賢いやり方です」

従来、PC/モバイル広告では販促など顧客を絞り込む点ばかりが重視されてきたが、今後は広告/口コミといった顧客をつくる部分でマス広告と連動させて活用することがより重要となる(※藤田氏資料より抜粋)
従来、PC/モバイル広告では販促など顧客を絞り込む点ばかりが重視されてきたが、今後は広告/口コミといった顧客をつくる部分でマス広告と連動させて活用することがより重要となる(※藤田氏資料より抜粋)

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消費者意識の変化に合わせることも重要

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/01/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9387

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