アクセス解析の5ツールを徹底比較
アクセス解析のためにGoogle Analytics(グーグル・アナリティクス)を入れてみたが、いまいち使いこなせていない――。あるいは、今使っている有料解析ツールを使いこなせていない、といった悩みを持つ読者の方も多いのではないだろうか。
一歩踏み込んだアクセス解析を行うために、有償でも高機能なツール、分かりやすくて使い勝手の良いツールの導入を考えなくてはならない時も来るだろう。そうなった時には、自サイトの課題を解決できる最適なツールを選びたいもの。
どんな機能を備えているかも重要なチェックポイントだが、費用をかけた分、ツールは使いこなせないと意味がない。経営陣などへの報告レポートを作りやすくなっているか、操作に慣れるまでのサポート体制が整っているか、レポート機能とサポート体制についても十分に確認しておきたい。
昨年の12月にアクセス解析イニシアチブとMarkeZine編集部が共同開催した「アクセス解析選定セミナー」では、ツールベンダー5社の担当者が自社ツールについて説明するセッションを第2部で設けた。各ツールの成功導入事例なども交えつつ、機能や使い勝手を比較・検討する機会となったセミナーの内容を、各ツールの特長、レポート機能、サポートについて項目別にまとめながら報告していこう。
社長でも使える「Web Analyst」
製品特長
第2部で最初に登場したのは、EC Studioの「Web Analyst(ウェブアナリスト)」。2009年9月にリリースされたばかりの解析ツールだ。“社長が使える。社長が見て分かる”というコンセプトのツールで、司会進行役を務めたアクセス解析イニシアチブの大内範行代表によると、「無料解析ツールでも機能が増え過ぎてきていて、なかなか使いこなせないレベルに来ている。Web Analystは『ここだけ見れば良いよ』と、使う人の時間をできるだけ短くしてくれる」という性格のものだ。
登壇したEC Studioの山本正喜専務取締役は、「『Google Analyticsがある中でなぜ新しいアクセス解析を作ったの?』と良く聞かれる」と切り出し、開発を決めた背景には「Google Analyticsは設定方法が難しい」「用語や使い方が分からない」という声を非常に良く耳にしたからだと説明した。多忙なアクセス解析担当者の運用負荷を軽減する目的から開発を始めたのだという。
レポート機能の特徴
山本氏により紹介されたWeb Analystのレポート画面は次の通り。
主な画面は、成果レポート、目標レポート、対策レポートの3つ。これらの基本レポートを順に見れば、概要を簡単に把握できるようにまとめられているという。また、レポート内では「セッション」「コンバージョン」といった専門用語を使わないように心掛けているのだとか。
1つ目の成果レポートは、経路別のコンバージョン数、キーワード別の流入数が一目で分かるというもの。グラフが急激に変化した個所に自動で旗を立てて目立たせるピックアップ機能、「何月何日に何をした」と履歴を残せるメモ機能も用意されている。
続いて紹介されたのは、目標達成状況が分かる目標レポートだ。
進捗率をメーターで表し、今月の獲得件数の着地予測を自動算出して表示してくれる。最後に取り上げたのは対策レポート。目標達成が難しい時に何をするべきか、指針を示す機能を備えているという。
縦軸に成果件数、横軸に訪問者数を取り、検索エンジン、リスティング(検索連動型広告)、外部サイトやブログなどの誘導元別に実績がプロットされている。「訪問数が少ないのに高い成果を上げている誘導元」「訪問件数は多いのに成果が少ない誘導元」といった注目すべき流入経路を見つけやすくなっているとのことだ。
サポート内容の特徴
問い合わせに関してはメールのみ受付ている。メールサポートに限定している理由は、ユーザーとのすべてのやり取りを記録し、状況を調査した上で回答をすることで的確な回答が可能となるからとのこと。
また、EC StudioはWebAnalystを利用するユーザーに対してPDCAサイクルを支援するサービスを2010年1月14日より開始している。具体的には、WebAnalystで計測したデータを当月と前月の成果実績を比較した資料を、月次レポートとして毎月下旬に提供する。パワーポイント形式(.pptx形式)で提供するため、社内報告用の資料として加工して使うこともできる。また、このレポートには50,000サイト以上の支援実績があるホームページ診断士による具体的な改善アドバイスも含まれている。
これらのサービスを含む、Web Analystの利用料金は1サイト10,500円となりPV制限は無しとなるようだ