強まる日本ブランドの下落傾向
今回で2回目となる「Japan’s Best Global Brands 2010(日本のグローバル・ブランドTOP30)」はグローバルな事業展開を行う日本発のグローバル・ブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けしている。インターブランドは、1999年からグローバルのトップ100のブランドランキング「Best Global Brands」を発表しており、日本のブランドの世界的なポジションを確認することができる。
今回発表されたランキングでは、日本のブランドTOP30のうち24のブランドが価値を落とし、ブランド価値の合計金額についても前年比-2%下落。前回ランキングでは、価値が下落したブランドは16だったこと見ても、日本ブランドの価値下落傾向は否めない。
しかし、厳しい経済状況の中、ASICSは世界的なマラソンブームを背景に、次々と施策を打ち出し、22位にランクアップ。また、Shimanoは、自転車文化の象徴でもあるロードレースでの評判の確立し、欧州市場で高い評価を獲得して27位にランクインしている。
躍進が期待できるユニクロと楽天のブランド価値は?
今回、ランキング選定基準の1つである「海外売上高比率が30%」に満たないため選考外となったが、発展が期待できるブランドとして、Nomura、UNIQLO、Rakutenの3ブランドの価値を算定。グローバルの競合ブランドとの距離を確認した。
このうち、UNIQLOのブランド価値は24億4300万ドルと算定され、日本ブランドのランキングでは9位に入る価値を生み出している。グローバル・ブランドと比較すると、同業態のH&MはUNIQLOの6.3倍、Zaraは2.8倍、Gapは1.6倍という状況で、高い成長力によってこれらのブランドとの差を詰める可能性も出てきた。
また、Rakuten(楽天)のブランド価値は11億3100万ドルと算定され、日本ブランドでは17位。グローバル・ブランドと比較すると、GoogleはRakutenの28.3倍、eBayは6.5倍、Yahooは4.5倍だが、インターネット関連ブランドの価値成長率は他業種に比べて非常に高い傾向にあることから、グローバルへの拡張に成功すれば、急速にブランド価値が高まる可能性がある。
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