決済手段はアリペイがダントツ
次に、中国でオンラインショッピングをする際の決済方法について聞いたところ「中国の場合、アリペイ(Alipay)を利用することがほとんどです」とのこと。
一方、リアルショッピングも含めた中国でのポピュラーな決済手段と言えば、銀聯が有名だ。中国の中央銀行にあたる中国人民銀行の主導で普及が進み、銀聯が付与されている銀聯カードは、中国国内では既に約20億枚以上発行されている(参考情報:【銀聯って何?】中国人観光客の”巨大な財布”「銀聯(ぎんれん)」利用者が日本で急増中)。

来日するほとんどの中国人が所持しているカードでもあり、ATMネットワークでの利用だけではなく、小売店や飲食店等で主にデビットカードと同じ役割でで利用されているようだ(参考情報:デビットカード,Wikipedia)。
さて、銀聯の普及数は相当な数だが「インターネット上での決済は小額決済が多いこともあり、アリペイが主流となっています」と矢井氏は言う。
「アリペイ(Alipay)」は、アリババグループが完全子会社として設立した「支付宝」という企業が提供するがネット決済サービス。アリペイのネット決済でのシェアは5~6割と言われており、「中国におけるインターネットショッピングの発展に大いに貢献したのではないでしょうか」と矢井氏は指摘した。
アリペイの仕組みは、基本的にはアメリカ発のオンライン決済サービス、Paypal(ペイパル)と同じビジネスモデル(基本的にはエスクローサービス)となっており、個人間の取引であるCtoC間の送金が安全にできることで人気が出たようだ。
さて、ここまで中国のEC市場の全体像を見てきたわけだが、後編では、中国進出を考えるEC事業者が気になる点である、集客手法や中国ユーザーの購買パターンなどについて迫っていきたい。
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