クーポンを超えたクーポンになりつつある「かざすクーポン」
例えば「かざすクーポン」では、新商品や各種キャンペーン情報などをタイムリーに伝えられるうえ、多くのユーザーに「かざす」という行為とともにキャンペーンへの参加を楽しんでもらえるようになったという。

また「かざす会員証」も、ただのポイントカード以上の使い方が可能。貯まったスタンプの使い方も、キャンペーンごとに柔軟に設定することができる。現在展開中のBig Americaキャンペーンでも、「かざしてスタンプ」を集めるスタンプラリーを開催。全4種類のBig Americaシリーズのバーガーを「かざす会員証」を使って4回購入し、スタンプをすべてそろえるとクォーターパウンダー・チーズのバリューセットを450円で買えるクーポンを10枚プレゼント、といった具合にお得な楽しさがある仕組みだ。

さらに、クーポンの配布方法を紙からケータイに変えたこと自体にも、メリットがあった。これまでクーポンを使ったキャンペーンを実施する際、1カ月前には内容を固めておかなくてはならなかったが、ケータイでの配布に切り替えたことで3日前までに決めておけば十分間に合うようになったという。
そうしたクーポンを巧みに使ったマーケティング活動、「かざす会員証」「かざすクーポン」の登場でキャンペーンに楽しんで参加してもらえる顧客が増えてきたことなどが成果として現れ、売上に寄与していると言える状況になってきたそうだ。
加えて、「かざすクーポン」の利用者が増えることで、電子マネーでの決済の割合が高くなり、スタッフによる会計の対応に必要なオペレーション時間が削減できるという利点もあるという。

着実の成長してきたモバイルサイト
今でこそ1600万人以上に利用されるようになり、同社の想定を上回るほどの広がりを見せるようになった「トクするケータイサイト」も、会員登録者数が100万人を突破したのは2006年12月のこと。モバイルサイトを始めてから約3年半を掛け、成長をしてきた。
2008年4月には3キャリアすべてで公式サイト化され、その後「トクするアプリ」をリリースするなどして会員数の拡大ペースに拍車がかかるようになったものの、同社ではモバイル会員が増えた要因は地道な取り組みにあったと見ている。
アプリを含めてモバイルサイト自体を、説明が無くても直感的に楽しく使えるようなデザインに改善したこと。利用者に魅力と感じてもらえるようなクーポンをそろえたこと。そして、iD、Edy、WAONなどの電子マネーに対応するなど、常に顧客にとっての利便性を追求したことで会員増につながったとの考えだ。
サービスの本質的な価値を向上させるそうした取り組みに加えて、今年の1月には「友だち誘ってコーヒーもらおう!」キャンペーンを展開。惹きつけるようなプロモーションも組み合わせて実施し続けていることで、相乗効果をもたらしているのだろう。
顧客にとって使いやすいモバイルサイトの開発に今後も注力
1600万人以上の会員に対してマスメディアを介さずダイレクトに新商品やキャンペーンなどの情報を伝えられるようになったこと。おサイフケータイを活用することで代金の決済が容易に行えるようになったこと。モバイルを積極的に利用しようとしたことで、マクドナルドはこのような恩恵を受けられるようになった。
モバイルサービスをここまでの規模にまで育て上げたマクドナルドは、今後どうしていくつもりなのだろうか。詳しいところは明かしてもらえなかったが、今後も“スーパーコンビニエンス”を実現するため、顧客の利便性を第一に、モバイル独自のコンテンツ開発や、アプリ・電子マネーとの連動などを目指していくという。
「お客様に手軽で、快適かつ楽しくアクセスいただけるようなサイトを目指し、開発等を行ってきたことが、現在の多くの会員の皆様にご好評をいただいている大きな要因と考えております。今後もお客様のよりご利用しやすい楽しいサービスを追及していきたいと思います」
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