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総力特集:どうなる2010年?モバイルマーケティングの未来

自社モバイルサイトで1600万人以上にリーチ
マクドナルドのモバイルマーケティング

 デフレ時代の勝ち組として、マクドナルドやユニクロなどの名前が挙げられている。とはいえ単に、「取り扱う商品が低価格だった」というだけで好調なわけではない。例えばマクドナルドが好調な要因として、モバイルマーケティングへの積極的な取り組みが挙げられる。勝ち組企業はモバイルをどう活用しているのか。1600万人以上の会員を抱える同社のモバイルマーケティング施策を紐解いてみよう。【総力特集!どうなる?2010年 モバイルマーケティングの未来】

会員1600万人以上を抱えるようになったマクドナルドのモバイル戦略

 デフレが進む厳しい市況下でも、日本マクドナルドは2009年度、全店売上高で5319億円と過去最高、経常利益でも233億円と上場後最高額を記録した。

 マクドナルドと言えば、積極的なマーケティング施策でも話題をさらっている。少し前には自社ブランドを隠してクォーターパウンダーを発売してニュースとなり、最近でも「Big America」シリーズの新バーガーを絡めたキャンペーンを展開して注目を集めている。

 そんな新商品のキャンペーン施策ほど目立っているわけではないが、着実に無視できない規模に育っているのがモバイルを活用したマーケティング活動だ。2003年から始めた「トクするケータイサイト」は、着実に会員を集め、登録者数は1600万人を突破。おサイフケータイで使える「かざすクーポン」のサービスも2008年に開始して、今では600万人以上に使われるようになっているという。

マクドナルドの「トクするケータイサイト」
モバイル黎明期からいち早く取り組み、会員数は1600万人を超えた
マクドナルドの「トクするケータイサイト」モバイル黎明期からいち早く取り組み、会員数は1600万人を超えた

 業績好調なマクドナルドは2010年度、キッチンキャパシティの伸びしろが無い店舗、ブランドイメージを損なう恐れのある店舗などを戦略的に選び、全体の10%以上に当たる433店舗を閉店する計画としながらも、前年度を上回る売上・利益を上げようとしている。その計画の中で、日本マクドナルドはモバイルというメディアをどう活していこうとしているのだろうか。日本マクドナルドの蟹谷氏の話を交えつつ見ていこう。

顧客との接点を増やすためにコミュニケーションチャネルを整備

 マクドナルドでは、おいしいハンバーガーを提供するというレストランの基本を守りながらも、顧客の利便性を向上させようと“スーパーコンビニエンス”という標語を掲げ、全社的な取り組みを進めている。100円マックやマックカフェでメニューの幅を広げる、BBモバイルポイントを使用できる店舗や、24時間営業の店舗を増やす、といった施策もその一環なのだとか。

 モバイルマーケティングの取り組みも“スーパーコンビニエンス”を目指す活動のうちの1つ。1600万人を超えたモバイル会員の規模を考えれば、特にモバイルに注力しているのかと思えてしまうが、蟹谷氏によると「ご利用になるお客様の利便性を考慮し、モバイルだけでなく、PCサイトも含め、さまざまなコミュニケーションチャネルを整備する」ために始めたものだという。

 とはいえ、PCやモバイルを使って顧客とのコミュニケーションを活性化させようというeマーケティングの取り組みは、同社の中でも重要な施策の1つと位置付けられているそうだ。

 当初は新商品・キャンペーンの情報やクーポンなどが入手できる「トクするケータイサイト」から始めた同社の取り組みも、2008年に「トクするアプリ」がリリースされたことで、ただのクーポンという域を超え、顧客との密な関係性(CRM)や店舗オペレーション効率化の目的でも活用されつつある。

 「トクするアプリ」には、先に取り上げた600万人以上の利用実績がある「かざすクーポン」のほかに、会員証・ポイントカードの代わりとして使える「かざす会員証」の機能が備わっている。これらの機能をマクドナルドはどのように活かしているのだろうか。

マクドナルドの「トクするアプリ」
現在600万人を超えるユーザーが利用している
マクドナルドの「トクするアプリ」600万人以上が利用している

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/03/15 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9841

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