それではあなたのチーム状況を分析してみましょう。
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このような項目を把握していくうちに、新しい疑問が次々と沸いてくることでしょう。このこと自体は非常に価値のあることなのですが、作業が「しらみつぶし」になってはいけないことは冒頭でお伝えしたとおりです。そこで、ここで行う「市場環境分析」では、3Cというマーケティングの教科書でも古典的に用いられているガイドラインを意識したいと思います。
3CとはCompany(自社)、Customer(顧客)、Competitor(競合)の3つの概念の頭文字です。3つの方向に狙いを定めて、さらに倍率の高い虫メガネに持ち替えて、より深い分析へと進めていきます。つまり、下記の具合に分析を行うのです。
- Companyの視点で自分のチームの分析
- Customerの視点で部員や野球部をサポートしてくれるOBや地元住民の分析
- Competitorの視点で競合チームの分析
これらの過程で「地区大会の優勝を2年後までに実現する」とか「来シーズンはチーム盗塁数100を達成する」というような強化ポイントと連動したゴールが頭に思い浮かんでくるはずです。このゴールのイメージを大切に保存しておくことこそが、この分析のプロセスで大切なことであり、これから立案する戦略の礎になっていきます。
SWOTのハコで情報を整理しよう
さて、分析をさらに深めるためのひとつの手法をご紹介したいと思いますが、その前にまずマーケティングの教科書でお馴染みのSWOTを今一度、思い起こしてみましょう。SWOTとは、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4つの概念です。StrengthとWeaknessは自分の企業で強化したり、補強したり、回避したりできる事柄で、OpportunityとThreatは自分の企業ではコントロールできない外的な事柄という分類で整理します。
さて、この考えに基づいて分析過程で発見した事柄を簡単なチャート「SWOTのハコ」にまとめあげていきましょう。下図を見てください。チャートの青いハコがチャンス、赤いハコがリスクを表しています。

そして、SWOTのハコに楔(くさび)を入れて、アイディアを切り開いていきます。隣接するハコでかけ算を行い、何が必要かをイメージします。まだ分析のプロセスではありますが、戦略や施策の立案と分析は間違いなく切り離せないものですから、このタイミングで思いついたアイディアは確実に記録しておきましょう。また、この楔によって新たな視点が得ることができれば、それを梃子にしてより深い分析へと移行します。この繰り返しで、市場環境分析は完成します。と同時に、次のプロセスに向けた価値ある情報が蓄積されたことになります。

それでは下にあるようなノートを自分でもつくり、SWOTのハコに整理してみてください。次回も引き続き、これらの分析をベースに、マーケティング・プランニングを展開するプロセスを追っていきます。


