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“相似形”で考えよう!マーケティング脳を鍛える10のレッスン

劇団四季に学ぶブランド・ビジョンの設計-レッスン8


今回はブランドについて考えてみましょう。ブランドと一口で言っても、企業ブランド、事業ブランド、商品ブランドなどと、企業によっては複雑な体系になっていることもありますが、ここではそのような枠組みを意識して一旦取り払ってみましょう。そもそもブランドの本質とは何なのかということを考え、自分のブランドについて改めて見つめなおす機会になればと思います。

どんな人になりたい?

 「その人らしさ」とは何でしょうか? やさしいこと? 賢そうなこと? かっこいいこと? 人にはその人らしい個性があります。そしてその個性という糸が、人生という織物を複雑に紡ぎ出します。やさしいあの人に頼まれたお願いだから、今回は力になってあげようと考えることもあれば、賢そうなあの人が言っているのだから、きっとこれをやることは間違いないのだろうと考えることもあります。「あの人らしいね」というのは、それだけで人の判断や行動を左右する大きな力を持っているものです。そしてそれゆえにさまざまな人間模様を産み出しているのです。

 いきなり唐突な問いかけでしたが、このお話はビジネスにも同じように当てはまるのです。それがブランドです。ブランドの起源は、牛の持ち主がわかるように、区別のために牛のお尻につけた焼き印にあると言われていますが、そのようなブランド論はさておき、ブランドとはわかりやすい象徴的な言葉で言うと、“らしさ”であります。しかも、それ自体がビジネスに良い影響をもたらす“らしさ”であると言えるでしょう。ブランドが無形の(インタンジブルな)資産と言われる所以が、この影響力にあります。

 もう一度、冒頭の話に戻りましょう。私たちは、ヒトとしての成長過程の中で、「こんな人になりたい」と誰しもがときに真剣に考えることがあるのではないかと思います。例えば、多くの男の子は、子供の頃、ヒーローに影響を受け、あこがれ、そしてヒーローになりたいという夢を抱きます。

 しかし、ヒーローと一口に言っても、言葉のイメージの幅が広く、受ける人によって抱く印象が違うものです。野球界から、ヒーローを取り上げてみることにしてみましょう。ある人は王貞治さんのように、ホームラン数の世界記録を打ち立てるような偉大な選手をイメージするかもしれません。しかし、別のある人は長嶋茂雄さんのように、天覧試合ホームランなどの国民の記憶に残るような印象的な選手をイメージするかもしれません。ここで学ぶべきは、夢とは、漠然と描くものではなく、あいまいなイメージとならないようにできる限り具体的に思い描くべきものではないかという教訓です。

 ブランドとは、あなたのビジネスのあらゆるステークホルダーに対して、良い影響をもたらす無形の資産です。強いブランドには、人が思わず感じ入ってしまうようなストーリーがあります。そしてそのストーリーを聞くだけで、なんかワクワクするものを感じます。そのワクワク感こそがブランドの持つビジネスの原動力となるのです。

ブランドのストーリー

 先日、「がっちりマンデー!!」(TBS)という番組に劇団四季の浅利慶太さんが出演されていました。なかなかテレビではお目にかかれない方のお話なので、非常に興味を持って見ていました。

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この記事の著者

東急エージェンシー 神通 靖彦(ジンヅウヤスヒコ)

理系出身のマーケティング・プランナーを目指し、総合広告会社(株)東急エージェンシー入社。マーケティング局、デジタルマーケティング局などを経て、現在、ナレッジセンター所属。
広告主と一緒にマーケティング、戦略、ブランド議論などを効果的に行う新しいカタチを開発・提供中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/10/10 14:41 https://markezine.jp/article/detail/1701

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