評価の実施と改善の繰り返し
この考え方は、Webサイトの構築プロセスでも同じように利用することができます。お問い合わせページやECショップの購入プロセスなどインタラクションが発生する部分では、ユーザビリティの問題点が「見栄え」によらないことも多くあります。
例えば、図の例のようにECサイトで買い物カートに商品を入れた後に、「買い物を続ける」ボタンをクリックするとトップページに戻ってしまい、サイズ違いや色違いの商品を選択するためには、もう一度はじめから同じプロセスを踏まなければならないなど、フローに関する問題が発生しているサイトは非常に多くあります。設計されたフローがユーザーの実際の行動フローと一致していないことによって起こる例のひとつです。

こうした問題点を見つけ出し、設計・構築プロセスの中で改善していくためには、システムやデザインに着手する前でも、パワーポイントやHTMLなどでフローと構成・ラベリングの確認を行うことができるレベルのプロトタイプを作成すれば、十分にユーザビリティの確認を行うことが可能です。
これで、「デザインが出来上がっていないからまだユーザビリティ評価ができない」なんていう言い訳をする必要がなくなりました。人間中心設計のための評価の実施例としては、図のように各段階でユーザーインタビュー、ユーザビリティ評価を実施することができます。
ユーザビリティ上の問題点を早い段階で見つけ出し、後工程での戻りをできるだけすくなくすることが重要なのです。そのために、捨てるためのプロトタイプを作成してみてはいかがでしょうか?

