メールにTwitter…、外部ネットワークを活用するLinkedIn
BtoBのリード獲得手段として浸透しつつあるLinkedInだが、ビジネスSNSとしての価値は登録会員の質・量に依存する部分が大きい。LinkedInにはFortune 500にランクインした全米上位500社すべての幹部が会員として登録しているというが、そこまでの会員を獲得・維持できるようにLinkedInはどのような仕組み・機能を用意しているのだろうか。
LinkedInが会員を増やす仕組みとして用意した機能の1つは、メールアカウントとの連携だ。個人情報管理サイトの「Plaxo」などでも使われているのでアメリカでは一般的な機能なのかもしれないが、LinkedInではGmailやOutlookなどのメールアカウント情報と連携して、過去にメールをやり取りした相手のメールアドレス情報を取得できるようになっている。LinkedInが取得してきたアドレス情報をリスト表示し、相手が既にLinkedInに登録しているのならLinkedInでのつながりを依頼し、未登録ならLinkedInへの招待メールを送る、といったアクションへ簡単に移れるような仕組みを用意している。
それ以外の人に招待状を送る機能も備わっている

そのように会員を集めてきても、訪問頻度が落ちていくとネットワークの価値は薄れていってしまう。LinkedInは訪問頻度を上げていくため、プラットフォームのオープン化、グループ機能、Q&A機能といった利便性を高める数々の取り組み・機能開発を行っているが、最近の注目すべき取り組みとしては、Twitterと連携してサイトのつくりを大きく変えていることが挙げられる。
Twitterが爆発的に流行したことで、Twitterライクな機能を自社で開発しようとする企業が日本では目立つ気がするが、LinkedInは既に存在するTwitterという場の価値をそのまま活かした。LinkedInのサイトに思い切ってTwitterを組み込んでしまい、Twitterクライアントとしての機能を実装することで、自サイトの訪問頻度・滞在時間などを高めようとしたのだ。
さらに、Twitterでのフォローの関係からLinkedInでつながりたい相手を探したり、逆にLinkedInのつながりからTwitterでフォローすべき相手を薦めたりと、相互のネットワークを活かして、お互いのユーザーベースの拡大につながるような設計にしている。
メールアカウント連携の機能と同様に、外部で既に存在するつながりをLinkedInの中にうまく取り込もうとする戦略が見て取れる。
Tweet用のフォームが用意されている
