キーワードに込められた検索者の意図を探れ
冒頭、河田氏はリスティング広告の歴史・特徴を説明した後、リスティング広告を運用する上では、キーワードを重視するべきだと呼びかけた。キーワードの分析を通じて、ユーザーの考えていることを探ることができる。それこそが、リスティング広告の面白さだという。
例えば、「アクセサリー」というワード。月間200万回以上検索されているが、ネックレス・ピアスのような装飾品から、iPad/iPhoneの関連アイテム、車に関するものまで非常に広い範囲を指す言葉だ。
そこで「アクセサリー 通販」とワードを追加してやると、検索回数は7万にまで絞り込める。「アクセサリーを買いたい」という明確な目的を持つユーザーだけを対象に広告運用を考えてやれば済むようになるので、成果に結び付けやすくなる。
さらに絞り込んで、「ティファニー 通販 指輪」といったワードをねらうこともできる。回数こそ少ないが、検索者の意図が明確につかめるため、さらに適切なアプローチを取りやすくなる。
「アクセサリー」「アクセサリー 通販」「ティファニー 通販 指輪」といったワードで検索したユーザーの目的はそれぞれ異なる。検索に込められた検索者の意図を理解して、アプローチすることこそが重要なのだと河田氏は訴えた。
困った状況を示すワードに着目して、地方から全国の顧客を獲得
そうした検索者の意図を推し量って成功した事例として、福井県の三和メッキ工業株式会社の取り組みを河田氏は紹介。会社の規模こそ30人程度とそれほど大きいわけではないが、75種類ほどメッキ加工の技術を持ち、特許もいくつか保有している。技術力を持っている会社だ。
同社は2005年から検索連動型広告に取り組み始めたが、社内でキーワードを検討すると「めっき ピカピカ」といったポジティブなワードばかりを選定しがちであった。だが、試行錯誤しているうちに、実際に検索されているのは「めっき 剥離」など、お客様が困った状況になったことを示すワードであることに気付く。
そこで悩みを解決するためのコンテンツを載せたランディングページ(LP)を量産し、ワード別に誘導するLPを指定した。広告の運用効率が改善され、地元の福井や北陸地方の顧客だけではなく、日本全国からも引き合いが取れるようになったのだとか。
さらに当初は法人向けのBtoBサイトだけを運営していたが、リスティング広告を運用しているうちに個人の間にもめっき加工の需要があると把握できた。そこで個人向けに「必殺めっき職人」というサイトを立ち上げ、個人からの需要も拾い上げられるように事業を拡大させているのだそうだ。
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