Twitterの現状
Twitterは2006年7月にアメリカではじまったサービス。現在、日本のユーザー数は約1,000万人に達したとされ、今もなおPV・UU数ともに急成長を見せている(参考情報:ツイッター:利用者数約1,000万人に,毎日.jp,2010年7月23日掲載)。また、「日本最大のSNSを凌ぐ巨大メディアに進化したTwitterに注目した企業によって、twinavi公認企業アカウントも約3,000件を突破した」と、佐々木氏は語る。「着目すべきは、全体の75%がTwitter.com以外のAPI経由の流入であること。開発者に愛されるTwitterだからこそ、世界中で様々なクライアントが生みだされ、人々がそれぞれ自分に合った楽しみ方を見つけられる」
Twitterで試される“人間力”とは
Twitter上では有名人も一般ユーザーも企業もみな同じ仲間という文化がある。フォローというゆるい関係であっても、「繋がっている」という感覚は、確かにそこに存在するのだ。
佐々木氏は、「Yellow Magic OrchestraのコピーをやっているアマチュアバンドのUstream番組にTwitter経由で坂本龍一さんが参加し、リアルタイムでコード進行を教えたり、曲の感想を発言した」というエピソードを挙げた。この時、さらに坂本龍一さんがTwitterを通して高橋幸宏さんに『この番組見なよ』と話しかけ、一般視聴者・YMOの両氏がいっしょにつぶやきながら鑑賞。深夜3時にも関わらず2,500人以上が視聴したそうだ。
他にも、一般ユーザーと企業経営者がフランクに質疑応答するシーンなど、フォローと言うゆるい関係から日々生まれるこのようなサプライズは、Twitterが生まれる前には起こり得なったシーンである。
Twitterが持つ4つの特性
これらを踏まえ、佐々木氏はTwitterの特性は次の4つであると説明した。
- 【速報性】…文字によるライブカメラ、検索対象になるより早く情報が伝わる
- 【伝播性】…RT機能によって面白い情報がバケツリレー式にダイナミックに伝わる
- 【簡便性】…フォローもリムーブも自由であり、ページ遷移もシンプルで使いやすい
- 【多様性】…API公開による多種多様なアプリやサービスがあり、サイト連携によって活用の幅はさらに広がる
次に、その特性から生まれるTwitterのメリットとデメリットを挙げていく。
まずメリットとして特筆すべきは、リアルタイムに情報が更新され、入力する文字数が140文字と短く、メールのように件名・宛名なしに発信できて手軽であることと、タイムラインがユーザーごとに表示され、掲示板のように固定のものを皆で見るわけではないので荒れにくいところにあるという。また、サードパーティーによる自動翻訳APIの登場でグローバルに展開でき、mixi・GREE・MySpaceなどの他サービスと積極的に連携を図っている点も、他のメディアと異なるTwitter独自の特徴である。
一方、「メリットがあればもちろんデメリットもあります」と、自分のタイムラインでは消せてもRTで伝播したものまで止めることができないということ、人間性がそのまま出るTwitterでは、固いつぶやきは広がらず、上から目線は嫌われるということをデメリットして挙げた。販促・告知の一方的な押し付けや、異常なほどに丁寧過ぎるツィートなどは、ユーザーから好まれない傾向にある。企業の「中の人」の“人間力”が重要なのだ。これこそ企業のTwitter活用において、最も配慮すべきポイントであり、苦労を強いられる点なのだろう。