仮想世界はこれからどうなるのか?
さて、期待がますます高まりつつも、3次元仮想世界の将来を具体的に思い描くことが難しいのは、米国でも日本でも変わらないようだ。例えばリンデンラボのCEO、Philip Rosedale氏もオープニングスピーチで次のように語っている。
「3次元仮想世界の登場もたらした雰囲気は、Mosaicが登場した時に非常に似ている。3次元仮想世界は、コミュニケーション、マーケティング、メディアを大きく変えるだろう。可能性は無限だが、今後どうなっていくかは誰も予測できない」
3次元仮想世界をめぐる現在の状況を、端的に表現した発言だろう。また、3次元仮想世界の中でのSecond Lifeの位置付けも気になるところだ。今回ご紹介したようにそれぞれの特色をもった競合が出始めているが、どうなのだろうか?
「やはり、Second Lifeがデファクト・スタンダードとなっていく可能性は高いと思います。しかし、真のコミュニケーション・プラットフォームとなるには、モバイルはもとより様々なデバイスに対応していく必要があるでしょう。また、課税などの法的問題をクリアして、バーチャルマネー経済を成立させられるか否か、も大きいでしょう。それらの課題をクリアできれば、ECや広告にとどまらない、さまざまなビジネスチャンスが創出されるはずです」(徳久氏)
次回は、3次元仮想世界の代表格であるSecond Lifeで行われたマーケティングキャンペーンをご紹介したい。取り上げるのは、DACとそのグループ会社のSpiceboxが担当した「SoftBank×SAMSUNG島」の事例。日本初となる「一島まるごと」の大規模キャンペーンとして注目の試みである。お楽しみに。
取材・文/MarkeZine編集部