楽天市場が出すメールに「プレゼント懸賞」というものがあります。ここにシリアルマミーからプレゼントを出品すれば、プレゼント懸賞に応募してきた読者のメールアドレスが集まります。集まった読者に対してメルマガを出せば、販促になるという仕組みです。けれども「プレゼント懸賞」にプレゼントを出品するには、13万円が必要ということでした。赤字なのに13万円の出費なんて…。「結局、楽天商法の一環では?」なんて穿った見方もしましたが、他に打つ手はありませんでしたし、何より一緒に2カ月間歩んできたその担当者を信頼してました。そこで私は自分のへそくりから13万円を捻出し、博打に出ることにしたのです。
結果的にメルマガ作戦は大成功でした。普段は3,000件ぐらいしか集まらないと聞いていましたが、シリアルマミーには7,000件の応募があり、たくさんのメールアドレスを得ることができました。また「実店舗は知っていたけど、シリアルマミーって、楽天に出店していたんだ」などのコメントもいただきました。やはりネット上でその存在が知られていなかったのです。「ネットショップとリアル店舗は別物なんだ」と実感しました。
メルマガの効果はすぐに収益に反映しました。一通目のメルマガを出すと翌日にはいきなり25万円も売たのです。一気に売上げが増え、こうして開店から3カ月後の11月に損益分岐点を越えたのでした。今はメルマガの効果も薄れてきたなんていわれていますが、関心のあるお客様にターゲットを絞ることができるので、販促効果は絶大です。今でも私にとっては重要なツールです。
もちろんメルマガを読まれるように工夫もしています。完読者プレゼントというのを毎回出しているのですが、当選者は次回のメルマガで発表されます。そして自分のニックネームが掲載され、当たったと連絡してきた人だけプレゼントを渡すのです。このやり方だと応募してくれた人は必ず次回も読んでくれますし、こちらから連絡するという手間も省けるのです。
またメルマガの文章も読まれるように「突然ですが…」とか「私今日、寝坊しちゃったんです…」という文章で始まります。私はメルマガは最初の4行で読まれるかどうか決まると思っています。ですから読者の興味を惹くように工夫しているのです。
秘策その3 担当者フル活用
そもそも私がこの「Z型」に気づいたのは、楽天市場の担当者のおかげでした。売上げが悪くて悩んでいたときに、藁にもすがる思いで、担当者に電話してみたのです。聞くと楽天のその担当者は、ひとりで200店も担当しているとのことでした。普通なら「その中の1店舗である私のために時間をとらせるのは悪い」と遠慮してしまいそうですが、崖っぷちにいる私に遠慮している余裕はありません。逆に200店舗も見ているなら、売上げのある店舗、ない店舗をよく見ているはず。「売れる店の特徴を知っているはずだ」と思いました。そしてなぜ私のネットショップが駄目なのか聞いてみたのです。するとその原因として「ページが悪い」といわれたのです。
その後私は一月の出店料である5万円の元をとるために、嵐のように担当者にバンバン電話しました。不在ならば折り返し電話をもらえるよう頼みました。最初は迷惑そうだったこの担当者も、あまり私が毎日電話を繰り返すので、次第に情が入ったのか親身になっていろいろ教えてくれました。知識もノウハウもある担当者をフル活用できたおかげで私のショップは短期間で成長することができたのです。