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“Web PRの成否はYahoo!トピックス掲載だけじゃない” 事例とデータから探るWeb PRの最新潮流

事例1:藤田観光~Webメディアからテレビへ~

 椿山荘や箱根小湧園、ワシントンホテルなどの運営で有名な、ホテル・レジャー業を営む企業 藤田観光は、PR TIMESが提携するビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」の、『5月病を克服するための商品/サービス』の特集記事に独自の旅行プランが取材され、掲載に至った。

 掲載記事自体も大きく取りあげられたが、さらにその記事を読んだTV局のディレクターから問い合わせがあり、担当する朝のバラエティ番組における5月病克服企画の取材も受けた。オンエア後視聴者からの問い合わせが殺到したという。この際、番組ディレクターは、検索エンジンからダイヤモンド・オンラインに掲載された藤田観光の記事を見つけて問い合わせたという。

藤田観光の事例:
Webメディアでの掲載が、テレビ番組での放映にも繋がった
藤田観光の事例:Webメディアでの掲載が、テレビ番組での放映にも繋がった

事例2:主婦の友社~ソーシャルメディアで爆発的な波及~

 山田氏が挙げたもう1つの傾向である「ソーシャルメディアでの波及」については、主婦の友社が行った電子書籍アプリ無料ダウンロードキャンペーン事例が参考になる。

 主婦の友社では、書籍『セックスしたがる男、愛を求める女』の発売前に、“1週間限定で電子書籍アプリとして無料ダウンロードキャンペーンを行う”という内容のプレスリリースを「PR TIMES」を使って配信。約30のWebメディアに掲載されたほか、iPhoneアプリの情報サイト「AppBank」などにも取りあげられた。

 これらの情報は、Twitterで500件以上、mixiやGreeなどのSNSでも550件以上引用され、結果、一週間でダウンロード件数が3万を突破したという。さらに同社では、キャンペーン終了後、3万ダウンロードされたこと自体をプレスリリースとして配信し、MSNのトピックスを含む10媒体でニュースとして取り上げられ、実際の書籍購買に向けた販売促進を行った。

主婦の友社の事例:
メディア以外への波及効果を意識したキャンペーンの実施で成果をあげている
主婦の友社の事例:メディア以外への波及効果を意識したキャンペーンの実施で成果をあげている

ユーザーへのタッチポイント数増加が波及の大きなポイントに

 主婦の友社の場合、かなり大きな成功を収めた事例と言えるが、そうでなくてもソーシャルメディアでの波及を狙うのであれば、ユーザーとのタッチポイントを増やしておかない手はない。下図は、同社におけるある事例での実数値をもとに作成したものだ。ニュースとして取り上げられたページからソーシャルメディア上で言及・引用された数は確かに多いが、プレスリリース原本が掲載された各ページからの合計値は、見逃せない数になっている。

ある事例でのソーシャルメディアでの波及数:
合計値で見れば、リリース原本掲載記事からの言及・引用数はかなりのものになる
ある事例でのソーシャルメディアでの波及数:合計値で見れば、リリース原本掲載記事からの言及・引用数はかなりのものになる

 これには、ソーシャルブックマーク、そしてTwitterの登場が気軽に情報を引用するという習慣をユーザーに定着させたのに加え、各検索エンジンにおけるユニバーサル検索(ブレンディッドサーチ)の導入が大きな影響を与えていると見ることができる。

 ユニバーサル検索では、画像や動画だけでなく、検索結果画面に各メディアサイトで公開された最新のニュース記事へのリンクも表示される。プレスリリースが原文として掲載されている記事も同様に表示されるため、ユーザーとの接触機会が増える。“検索ユーザーとの接触機会”というくくりでとらえれば、前述のメディア制作者に対しても同様のことが言えるだろう。

「プレスリリースを自社サイトに掲載する、ターゲットとなるメディアに正確に届けることは最低限のことですが、それだけでは機会損失の恐れがあります。検索エンジンの利用者との接点を広げるという意味でも、PR TIMESをうまく活用していただきたいですね」(山田氏)

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メディアとの連携を強化したPull型の広報支援機能

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/10/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/11603

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