SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

現場リーダー必見! アクセス解析実践日誌

外部リンクは別ウィンドウで開かせるべきか?
アクセス解析でユーザー行動を理解する


【解析方法の検討】別ウィンドウを判別する意外な方法

 リンクの開き方を判定するのは難しいが、リンクを別ウィンドウで開いた場合と、同一ウィンドウで開いた場合のブラウザの状態を比べてみると、戻った場合のページの状態が異なることが分かる。

【図3】ウィンドウの開き方と遷移の関係に注目
【図3】ウィンドウの開き方と遷移の関係に注目

 別ウィンドウで外部サイトを開いた場合、リンクが掲載されている元のページ(記事A)は開いたまま残っている。そのため、自サイト内で次に閲覧するページは、記事Aとは異なるページになる。

 一方、同一ウィンドウで外部サイトへのリンクをクリックした場合は、ブラウザの[戻る]機能で戻る必要がある。そのため、自分のサイトでの解析データを見る限り、リンク元のページがリロードされたように見えるはずだ。

 この点に注目し、外部サイトへのリンクをクリックした元ページ(記事A)のURLをCookieに保存しておき、その次にアクセスしたURLと比較することにした。この方法で、リンクを別ウィンドウで開いたのか同一ウィンドウで開いたのかを判別し、カスタムイベントにセットすれば、Google Analyticsでも検証が可能だ。

【レポーティングの方針を検討】結果レポートをプロトタイピング

 想像に基づく要件定義のまま設計や実装を進めてしまうと、実装が終わった後に技術的制約が判明し、予想とは異なるレポートになってしまうことがある。

 そこで、レポートのイメージを紙に書きながら、「こんなデータが取れたら何が分かるか?」「「どうレポートをレイアウトすると直感的に理解しやすいか?」「どんな改善につながるのか?」などと頭の中で分析や運用の様子をウォークスルーし、解析の妥当性を検証しながら要件を具体化、精緻化していった。

【図4】レポートのプロトタイピング、まずは手書きでも良いので具体化しながら検討していく
【図4】レポートのプロトタイピング、まずは手書きでも良いので具体化しながら検討していく

 レポートを直感的に理解できるように、ショッピングカートなどのドロップ率分析でよく使われるファンネルをイメージしてレポートを作ってみた。今回は訪問者ごとの行動パターンを調べたいので、リロードによる重複をカウントしないように訪問数を基本的な単位とした。

 分析には直接的には関係が無いが、直帰しなかった率も含めてある。直帰しなかった訪問者は、サイト内またはサイト内外へのリンクをクリックしたことになるため、この数字が分かると、クリックしたリンクのサイト内とサイト外の割合も算出することができるようになるので便利だ。さらに、サイト外へのリンクをクリックした人数、そのうちサイトに戻ってきた人数、さらにそのうち別ウィンドウだった人数、をファンネルのステップに含めた。つまり、図2の判断チャートで定義したステップとゴールをレポートに反映してある。

【図5】離脱して戻るまでのドロップ率をファンネルで表したExcelレポート
【図5】離脱して戻るまでのドロップ率をファンネルで表したExcelレポート

 わざわざ別ウィンドウを開く人は、同じページを残しておきたいという意図を持っているため、外部リンクのクリック数やサイト内の滞在時間、閲覧ページ数が増えるかもしれない。そこで、離脱後にサイトに戻ったユーザーを別ウィンドウと同一ウィンドウでセグメント分けし、各種指標を比較してみたい。

 こう考えると、先ほどの【図5】のファンネルも新規訪問者とリピート訪問者でセグメントを分けて検証してみたくなる。

次のページ
【解析結果】実データと完成したレポート

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
現場リーダー必見! アクセス解析実践日誌連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

清水 誠(シミズ マコト)

Webアナリスト/改善リーダー。

1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PIMを導入、楽天では...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2012/10/18 15:55 https://markezine.jp/article/detail/11734

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング