【解析方法の検討】別ウィンドウを判別する意外な方法
リンクの開き方を判定するのは難しいが、リンクを別ウィンドウで開いた場合と、同一ウィンドウで開いた場合のブラウザの状態を比べてみると、戻った場合のページの状態が異なることが分かる。

別ウィンドウで外部サイトを開いた場合、リンクが掲載されている元のページ(記事A)は開いたまま残っている。そのため、自サイト内で次に閲覧するページは、記事Aとは異なるページになる。
一方、同一ウィンドウで外部サイトへのリンクをクリックした場合は、ブラウザの[戻る]機能で戻る必要がある。そのため、自分のサイトでの解析データを見る限り、リンク元のページがリロードされたように見えるはずだ。
この点に注目し、外部サイトへのリンクをクリックした元ページ(記事A)のURLをCookieに保存しておき、その次にアクセスしたURLと比較することにした。この方法で、リンクを別ウィンドウで開いたのか同一ウィンドウで開いたのかを判別し、カスタムイベントにセットすれば、Google Analyticsでも検証が可能だ。
【レポーティングの方針を検討】結果レポートをプロトタイピング
想像に基づく要件定義のまま設計や実装を進めてしまうと、実装が終わった後に技術的制約が判明し、予想とは異なるレポートになってしまうことがある。
そこで、レポートのイメージを紙に書きながら、「こんなデータが取れたら何が分かるか?」「「どうレポートをレイアウトすると直感的に理解しやすいか?」「どんな改善につながるのか?」などと頭の中で分析や運用の様子をウォークスルーし、解析の妥当性を検証しながら要件を具体化、精緻化していった。

レポートを直感的に理解できるように、ショッピングカートなどのドロップ率分析でよく使われるファンネルをイメージしてレポートを作ってみた。今回は訪問者ごとの行動パターンを調べたいので、リロードによる重複をカウントしないように訪問数を基本的な単位とした。
分析には直接的には関係が無いが、直帰しなかった率も含めてある。直帰しなかった訪問者は、サイト内またはサイト内外へのリンクをクリックしたことになるため、この数字が分かると、クリックしたリンクのサイト内とサイト外の割合も算出することができるようになるので便利だ。さらに、サイト外へのリンクをクリックした人数、そのうちサイトに戻ってきた人数、さらにそのうち別ウィンドウだった人数、をファンネルのステップに含めた。つまり、図2の判断チャートで定義したステップとゴールをレポートに反映してある。

わざわざ別ウィンドウを開く人は、同じページを残しておきたいという意図を持っているため、外部リンクのクリック数やサイト内の滞在時間、閲覧ページ数が増えるかもしれない。そこで、離脱後にサイトに戻ったユーザーを別ウィンドウと同一ウィンドウでセグメント分けし、各種指標を比較してみたい。
こう考えると、先ほどの【図5】のファンネルも新規訪問者とリピート訪問者でセグメントを分けて検証してみたくなる。