新しいセグメント=“金脈”が見つかる!行動ターゲティングの活用法とは?
本連載で何度も紹介しているように、行動ターゲティングメールには、3つの活用パターンがあります。
- ターゲティングの最適化(第1回)
- メールコンテンツの最適化(第2回)
- 新しいセグメントの発見
第2回までは、WEB閲覧履歴を活用しセグメントやメールコンテンツを最適化する手法を紹介しましたが、これはあくまで従来のEメールマーケティングにおける登録情報などの静的データによる最適化の方法を、WEB閲覧履歴をキーにして発展させた手法です。これに対して今回紹介する“新しいセグメントの発見”は、行動ターゲティングが最も効果を発揮する独自の活用法となります。
WEBの閲覧履歴は、ユーザーの興味・関心を映す鏡です。例えば自動車を購入する場合で考えると、「特に関心なし」「気になる車がある」「詳細なスペックが知りたい」「オプションは何がある?」「予算はいくら?」など、ユーザーの興味・関心は時間とともに変化します。興味・関心が変化すれば、当然閲覧するページの種類や頻度も異なってきます。
従来の静的なデータではこの変化を捕えられませんでしたが、WEB閲覧履歴からその変化がわかると、ユーザーの興味・関心に合った効率の良いアプローチが可能になります。今回紹介する“新しいセグメントの発見”の眼目は、WEB閲覧履歴を分析してユーザーごとの興味・関心を把握し、新しいセグメントとして見つけ出すことです。
その分かりやすい一例として、ショッピングサイトでの新しいセグメント発見のパターンがあります。
多くのショッピングサイトでは、商品をショッピングカートに追加した後、支払い手続きを取る仕組みになっています。しかし、みなさんもご経験があると思いますが、「ショッピングカートに商品を追加したが購入まではしない」ケースがよくあります。
「とりあえずカートに入れておこう」なのか「決済の手続きが面倒だった」のか最終的に購入しなかった理由はWEB閲覧履歴ではわかりませんが、この場合少なくとも「特定の商品の購入を検討している可能性の高いユーザー」、つまり、あと一押しすることで購入に至る可能性を秘めている「購入検討層」と仮定することができます。
このユーザーがWEB閲覧履歴から特定できれば、例えば“期間限定の送料無料クーポン”といったEメールでのもう一押しのプロモーションも可能となります。
このケース以外にも、「見込み度の高い新たな購入検討層」を発見する方法はいくつかあります。
A~Cのパターンは、ショッピングサイトの例と同様に「ユーザー心理状況」をWEB閲覧履歴から推し量るという手法です。もちろんサイトの位置づけや取り扱う商品の特性によってWEB閲覧の分析ロジックは異なりますが、ある程度同様の考え方で「新しいセグメント」を見つけることが可能です。