日本企業はROIが苦手
MarkeZineでも連載コンテンツを持つマーケティングコンサルタントの青葉氏。マイクロソフト、リクルートエージェントなど数々の大企業において実績を上げてきた同氏が指摘する日本企業の問題とは、「投資に対する効果測定ができていない」ということだ。
総務省『企業経営におけるIT活用調査』のデータを挙げ、米国に比べて日本企業は圧倒的にROIの管理ができておらず、特に『導入後の定期的かつ定量的な効果検証』は、約87%の企業が実施しておらず「やったらやりっぱなし」の状態であると指摘した。
マーケティング部長に求められていることとは?
日本は人口減少とグローバル化が進み、世界中の人々と競争して仕事を勝ちとらなければならず、各所で「社会構造の変化」が起きている。また、消費者は今までより賢くなっており、少ないコストで豊かな生活をするためにクチコミを重視している。その結果、お得な情報を比較しながら製品やサービスを徹底的に調べ上げるという行動を起こしているにもかかわらず、多くの企業は古い組織体制が続いている。
これに対しマーケティング部門は、非常に複雑な組織問題・経営問題の課題解決を迫られ、企業内の多くの期待を背負っている、と青葉氏は語った。
- 経営層から:コストダウン・競合優位/構造改革・ROI・見える化
- 現場から:売上アップ・カスタマーサービス・DB活用・CRM/営業支援
- 通常のマーケティング担当業務:ソーシャルメディア・広告ブランド・WEBサイト資料請求・集客計画・リスティング・SEO・メルマガ
このような状況下においてマーケティング部門は「長期テーマ:全体最適・企業サイト・ブランド」と「短期テーマ:短期課題・部分最適・CPA・製品サイト」という2つのテーマを担う必要がある。では、どちらが大事だろうか? 青葉氏は、「どちらにもROIがあり、どちらも大事である」と語り、マーケティング部長に求められる3つのポイントを解説した。