今日の顧客から明日の顧客はつくれない
最後に、今の上客の満足度が高いほど企業はつぶれやすいと警告する『イノベーションのジレンマ』ほどではありませんが、お得意さまの都合ばかりを取り入れていると、販売不振に陥ることがあります。
データを取ること、そこからトレンドを読むことはとても大切なことですが、少数の上得意客の意見を真に受けると、大失敗することがあります。「○○は良かったね」、「△△はダメだよ」と貴重なアドバイスをいただいても、そのお客さまが、未来の顧客の代表者であるとは限りません。
卑近な例ですが、「もっと安くすれば買うのに」、「近くならセミナーに行くのに」、そういった何人もの問い合わせに対応しても、肝心の問い合わせいただいた人が買わず来ず、売上も利益もさっぱりという経験が何回かあります。
新しいお客さまをつくっていくためには、新しい市場の意識や商材の開発も忘れてはならないでしょう。

ホームページの印象を違ったものにする。色を変える、画像を変える、リンクを変える、文章を変える。
そういった小さいことから積み重ねて、たった今の見込み客を探ること、反応を確かめることが大切なのです。そして、リアルタイムの顧客イメージを探求しましょう。
私の地元(いわゆる備後地域)のショップオーナーの意見としては、売上の大部分が関東(東京23区や横浜などが中心)なのですが、その人たち向けの商材の見せ方や売り方一辺倒でいいのでしょうか?
もともとが首都圏を意識したホームページ作成パターンだから、結果がそうなっているだけかもしれません。全国それぞれのローカル色を取り入れて別々に商用サイトを立ち上げて実験してみる価値はあると思いますし、自分でマーケティングしてみるべきでしょう。
また今売っている商材を、大きくする、小さくする、厚くする、薄くする、色を変える、これだけで売上が10倍・100倍になった実例があります。自分の地域では大きいものが普通だったのに、出張して話を聞いてみると全国では小さいものがよく売れていると知って、商材を変更したら大当たりしたんですね。
インターネット・ビジネスこそ、商売人感覚で売上が変わるということです。