制限・束縛なきインディペンデントが武器
ウェブトレンズと言えば、アクセス解析ツール「Webtrends Analytics9(以下、Analytics9)」をイメージするユーザーも多いだろう。この、Analytics9を導入したユーザーが次に抱いたニーズはツールの単なる導入に終わらず、マーケティング全体の改善につなげていきたい、というものだ。そこで、このニーズを満たす新フレームワーク「DM3」を同社はリリースした。まず、リリースの経緯・背景について、マクダーモット氏(写真左)は次のように語っている。
「デジタルマーケティングの世界は決して単純ではない。各マーケターがデジタルマーケティングのキャンペーンを作成し、それをさらに向上していこうとする際、当社はそこに最適なプラットフォームを提供していける」
では、具体的に他社との差別化点はどこにあるのか。同社では大きく次の特徴を挙げる。
- マイクロサイトを多数有する大型企業が顧客層に多い
- 変数の数に制限がない
- ページIDを付ける必要がない
- データ取得形式がオープンでバラエティーに富んでいる
- プラットフォームやサービスにしがらみがない
1、2、3では、マイクロソフト、コカコーラ、3Mなどブランドを多数有している企業群がその代表例だ。これらの企業では、各ビジネスユニットが各ビジネスサイトを所有している。他社のソリューションでは、変数の数に制限が生じたり、全ページにページIDを付けなければならないなど、ツール導入の際の作業負荷や費用、導入後の管理の負荷などがブランドサイトの数や規模に比例して大きな課題となってくる。また、ブランドサイト間の解析にサードパーティクッキーの保存が必要だったり、JavaScriptの改修、特別な解析費用がかかるソリューションもある。
しかし、ウェブトレンズ製品の計測方式は、同じWebビーコン型でも、ページIDや変数の数などに制限がなく、大規模サイトであってもわずか1日で導入を完了させることが可能であり、各部門が独立してマイクロサイトの解析を容易に運用できるので、マイクロサイトの増大につれて管理負荷が増すこともない。
そして、事前に予想していなかった大量のアクセスに対する解析能力という点でも、短期間に多数のアクセスを集めるニューヨークタイムズやマイクロソフトが採用していることからもわかるように、ベンダー側への事前連絡を行わなくても全てのログが収集され、サンプリングなしに遅延なく解析、レポートを参照できる。
また、4および5について、マクダーモット氏は次のように語る。
「従来はWebとJavaScriptが主流だったが、現在はソーシャルメディア、モバイルなど新しい形での、新しいデータ取得形式が必要になってきている。ウェブトレンズでは、iPhone、ブラックベリー、アンドロイドなどのさまざまなモバイルアプリケーション向けに、すぐに使用できるSDKを無料で用意しているだけでなく、今後出てくる新しいデバイス向けに、データ収集API(Application Programming Interface)が公開されており、直接ウェブトレンズのサーバーにデータを送りリアルタイムなデータ解析が実現する手段が自由に開発可能だ。また、解析データについても、データアクセスAPIが公開されており、ユーザーは特別なプラグインをインストールすることなく、解析データを自身のプログラムに取り込み、オンラインやオフラインでマーケティングデータと統合することができる。さらに、ウェブトレンズはインディペンデントであり、特定のテクノロジーに縛られているわけでもなく、さまざまな事業領域のしがらみを意識する必要もない。そのため、オープンにパートナーを増やしていくことができる」