SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

“相似形”で考えよう!マーケティング脳を鍛える10のレッスン

「努力すれば結果が出る」はウソ 決め手は戦略-レッスン6 ~マーケティング・プランニングのイロハ~

戦略方程式づくりにおける「イタコの術」

 戦略づくりの基本スタンスは、常に顧客、すなわちターゲットの視点で考えるということです。決して、企業本位の一人よがりになってはいけません。そこでその人に乗り移って、その人の気持ちを察し、行動を考えます。それが、「イタコの術」です。一見、当たり前のことのように思われますが、この術こそ、先ほどの戦略づくりにおける2つのハードルを乗り越える極意であります。

 まず、目的に照らし合わせながらターゲットを設定する際に、そのターゲットの生活や気持ちを思い浮かべて、自分がその立場になりきることが大切です。

  1. どんな特徴の人なのか?
  2. どんなライフスタイルの人なのか?
  3. どんな趣味嗜好や価値観の人なのか?
  4. あなたの業界、あなたの会社にどんな想いを抱いている人なのか?

 上記のような質問を、自らに問いかけることで、イタコの術の精度は上がります。そして、この準備が万全であれば、意図する行動を鮮明に描くことができるのです。さらに、ターゲット心理の理解によって、行動との引き換えのGIVEについても、深い洞察ができます。これによって、2つ目のハードルをも越えることができる一石二鳥の術です。ですから下記のように自問自答していきましょう。

  • ペット・オーナーとは、どういう人なのだろう?
  • ペットとどういう生活をしている人なのだろう?
  • ペットの洋服というものに、どういう価値観を感じている人なのだろう?
  • 自分のショップにどういう想いを抱いている人なのだろう?

 すると、ペットはわが子だから、特別な待遇をしてあげることで、自己満足に近い陶酔をしているという洞察にいたるのです。ペット・オーナー以外から見ると、ペットを相手に一見馬鹿げた買い物をしているように映るかもしれませんが、ペット・オーナーの立場、まさにイタコの術で考えると、そんな気持ちも理解できるようになるのです。そんな努力が、戦略づくりには大切なのです。

 これらの一連の戦略づくり作業における重要なコツは、左脳と右脳の両輪による作業と意識することです。発想が得意な右脳の生み出した考えを、整理が得意な左脳が導く論理的な処理によって、戦略方程式へと組み立てていきます。感性的なひらめきを大切にしながら、理性的な判断で取捨選択をしていく作業、それが戦略づくりです。難しいと思っていた戦略づくりを、少しでも単純化してとらえるようにするための手法、それが「戦略方程式」です。ぜひ活用してみてください。

レッスン6
あなたが戦略を立てようとしている案件の「戦略方程式」を組み立て、ターゲットの「イタコの術」で洞察してみましょう。場合によっては、「意図する行動」を目的に置き換えてみることで、新たな行動を発想してみましょう。そこで思いつく施策のアイディアこそが、金の卵です!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
“相似形”で考えよう!マーケティング脳を鍛える10のレッスン連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

東急エージェンシー 神通 靖彦(ジンヅウヤスヒコ)

理系出身のマーケティング・プランナーを目指し、総合広告会社(株)東急エージェンシー入社。マーケティング局、デジタルマーケティング局などを経て、現在、ナレッジセンター所属。
広告主と一緒にマーケティング、戦略、ブランド議論などを効果的に行う新しいカタチを開発・提供中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/07/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/1369

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング