2つの切り口からポジショニングを比較する
ポジショニングすることが可能な領域には「製品/価格/アクセスの容易さ/付加価値サービス/顧客の経験」があります。これは2001年にフレッド・クロスフォードとライアン・マシューズが提唱したポジショニング可能領域です。実際にポジショニングに落とし込む流れとして以下の手順があります。
- 製品・サービスの属性の洗い出す
- 属性の関係性(補完、類似、相違、相反)を洗い出す
- 属性を領域に分類する。(または言い換えて分類する)
- 関係性ごとに2属性を選択する
- 競合他社を選択した2属性でマッピングする
価格のポジショニング領域を考えるには、機能数などの属性軸を追加してマッピングすると、より市場機会があるかどうか見えてくるでしょう。
例えば下記2つのポジショニング領域を見てください。製品領域の他社ポジショニングをみてみると、速度が遅く、機能が多い製品が多いことがわかります。次に価格領域で他社ポジショニングを見てみると、高機能高価格、または低機能低価格となっていることがわかります。2つのポジショニング領域で比較すると、機能が標準的で、速度を売りにして価格を標準的にしたポジションが空いていることがわかります。
このように各ポジショニング領域で比較したり、複数のポジショニング領域を組み合わせて比較したりして市場機会が創出できるポジショニングがあるかどうかを検討します。そして顧客へメッセージングするときには、例えば「一番速い製品」として利点を訴えます。ここでマッピングした結果全てをメッセージングしないように注意します。上記の例では、「トレードオフの関係にある2つの属性」でマッピングしましたが、類似性、補完性などの視点で2属性を選択してマッピングするのもよいでしょう。
失敗しやすいポイントとしては、「機能と価格」だけの比較をポジショニングしてしまうことです。これは参入する市場を価格競争としかならないように破壊してしまうこと陥る場合があります。まず「顧客の経験」のポジショニング領域からポジショニングを行い、製品市場における顧客価値を再確認してから、各ポジショニング領域でポジショニングするとよいでしょう。
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