収益に影響する指標を重視
クリック単価・顧客獲得単価(CPA)といったWeb上の指標だけを追うのではなく、売上・利益など収益に影響する指標を重視していこう――。そんな提言が増えているが、どうやって実現させればいいのだろうか。
売上・利益や資料請求後の成約率といった収益に影響する指標は、基幹系システムなど、Webとは別のシステムで管理されていることが多い。分析用のデータを集めるだけでも、かなり手間が掛かってしまう。頭では重要だと理解していても、二の足を踏んでしまってはいないだろうか。
そのような課題を感じているのなら、システムを連携させてしまうのも1つの手だ。
株式会社ロックオンの提供する広告効果測定ツール「アドエビス」はAPI機能を強化。基幹系システム内のデータと、アドエビスでの測定データを紐付けて分析することが可能になった。問い合わせ後の来店率や来店後の顧客行動、リピート率も加味した顧客1人当たりのライフタイムバリューなども、アドエビスで評価できるようになるわけだ。
実際のところ、本品購入を意識した広告運用をすることで、どんなメリットがあるのだろうか。アドエビス導入企業の中で、いち早く本品購入の指標を重視した取り組みをしているのは株式会社ノエビア。化粧品の製造・販売を手掛ける同社が運営するECサイト「ノエビアスタイル」の事例を見ていこう。
お客様に本品を買っていただくことが最終目標
株式会社ノエビア 営業部 ダイレクトマーケティンググループ 課長代理の笠井誠氏(写真右)によると、ノエビアスタイルはお客様に本品を購入していただくプロセスに特徴がある。
まずはトライアルセットをお薦めし、気に入っていただけたお客様には本品購入を検討していただく、というのが一連の流れ。トライアルセットは儲けを度外視した価格設定になっているため、同社の目標はお客様に本品を購入していただくことになる。
従って、同社が重視している指標もユニーク。CPO(注文1件当たりの獲得単価)や、お客様に本品を継続して購入していただけるかどうかを表わすリピート率といった指標のほかに、トライアルセットの利用後に本品の購入に至ったかどうかを測る指標も持っているのだ。
そこでノエビアは転換率などのデータを分析していくため、お客様の購買データベースとアドエビスを連携させた。アドエビス導入前はアクセス解析ツールを使っていたが、多機能過ぎたため、PDCAサイクルを回せていなかったという。
「われわれはアクセス解析ツールの専門家ではなく、分析を試みる時間は月に1回程度しか取れません。ですからアクセス解析ツールを開いて、複雑な画面になっていると『あれっ?』と手が止まってしまいます。その点、アドエビスは操作が分かりやすくてシンプル。目的のデータがすぐに見つかるので、自然とデータ分析をする頻度も上がりました」(笠井氏)