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江崎グリコが取り組むテキストマイニングは広告キャンペーンをどう変えるのか

自由回答のテキストマイニング結果から、次の取組施策のアイデアに活かす

 先に古澤氏の語った3つの課題、

  1. リサーチの精度をどうやって上げていくのか
  2. ネット上の自発的な声をどう捉えていくのか
  3. どのようなやり方で広告効果測定を進めていくのか

 こうした課題を抱えるなか、同社は見える化エンジンの導入することで、次の4つのような改善を実現したという。

  1. アンケート調査における自由回答欄から生活者の隠れた声を発見
  2. テキストマイニングで得られた知見を次年度のキャンペーンに活用
  3. スタッフ全員がツールを活用することで部門全体のスキルが向上
  4. クチコミ分析の内製化により、短期間かつ広範囲の調査が可能に

 各ポイントについて、具体的に見ていこう。

 生活者調査室では、アンケート調査・インタビュー調査などを定期的に実施してきた。従来、アンケート調査は選択式を中心に実施。自由回答欄も設けていたがあくまでオマケ。担当者が目を通して、使える情報が出てくれば“もうけ物”程度に考え、大きな期待はしていなかった。

 それが見える化エンジン導入以降、自由回答欄が意味を持つようになった。江崎グリコでは見える化エンジンの単語ランキング、係り受け、マッピングなどの機能を使い、自由回答欄から得られたテキストデータを分析している。

 「質問の組み立て方次第ですが、自由回答を使うことで、想定していない生活者の声を見つけるのに役立っています。見える化エンジンだと、回答を1つ1つ追わなくても、『こういうことが語られているんだな』と視覚的に即座に分かります。それが大きいんです」と古澤氏。これまでは選択式で何とか有意な情報を得ようとしていたが、今では自由回答欄を積極的に使い、生活者の隠れた声を引き出そうと試みているという。

 実際、テキストマイニングで得られた知見を活かし、次年度のキャンペーンに活かした実績も出てきている。例えば、ある商品を使ったレシピを試してもらう、というキャンペーンを企画した際のことだ。この種のキャンペーンでは、「作ってみたい」と思わせるレシピをそろえられるかで成否が左右されるところもある。そこで、見える化エンジンでアンケート調査の自由回答を分析。「こんなやり方をしている/工夫している」といった生活者の思わぬ傾向を見つけることに成功。生活者に「作りたい」と共感してもらえそうなコミュニケーションのアイデアにつなげたという。

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費用面から対象が限られていたネットのクチコミ分析が、ツール導入で調査対象拡大

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2012/11/06 17:02 https://markezine.jp/article/detail/14029

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