デジタルエージェンシーとは?
本日から、本連載「デジタルマーケティング活用の最新事例レポート」を担当する、ビルコム株式会社取締役 兼 COO及びデジタルマーケティングDiv.を統括する鳥潟幸志です。どうぞ、よろしくお願い致します。
この連載では、企業のデジタルマーケティングの最新事例を、「課題設定」~「戦略プランニング」~「コンテンツ制作」~「実行」~「効果測定」という軸をもとに、ご紹介していきます。
第1回目は、企業と消費者とのコミュニケーションの間に起きている変化をもとに、デジタルエージェンシーが求められるようになった背景と提供価値について、ご紹介したいと思います。
企業と消費者のコンタクトポイントの変化
ご存知のとおり、デジタル化の流れを受けて、消費者の接触メディアは多様化しています。特に、昨今のソーシャルメディアの活況ぶりは、目を見張るものがあります。
2011年5月のニールセン・ネットレイティングスの調査によると、国内のTwitterユーザー数は1,400万人を突破。Facebookに関しても、今年1月に創始者マーク・ザッカーバーグを描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』が公開された影響もあり、順調にユーザー数が増加しています。また、mixiやGREE、モバゲータウンなど各種SNSのユーザーも、それぞれ2,000万人を超えています。
これに伴い、企業も続々とソーシャルメディア上に消費者とのコンタクトポイントを用意し始めました。mixiやGREEにソーシャルアプリを展開することでブランドの世界観を体現する企業や、Twitterアカウントも持ち、ユーザーとリアルタイムかつ双方向のコミュニケーションを図る企業も増えています。
海外では、企業のFacebookページのファン数が企業サイトのUU数を上回るケースも出てきています。例えば、スターバックスの場合、Facebookのファン数が2110万人であるのに対して、月間の自社サイト訪問者は180万人、コカコーラではファン数が2050万人に対して、月間自社サイト訪問者が27万であったと言われています(2011年3月2日Technology for Marketing and AdvertisingカンファレンスにてFacebook英国支部コマーシャルディレクターStephen Haines氏より発表)。
Facebookのファンページは、既に企業サイトの影響力を上回り始めているとも言えます。
また、企業が注目する新たなコンタクトポイントは、ソーシャルメディアだけにとどまりません。
2015年までには、タブレット端末の国内出荷台数が800万台(シードプランニング調査)、スマートフォンの出荷台数が2500万台近くに上るとも言われるなかで(MM総研調査)、タブレット端末やスマートフォン端末のアプリケーションを、マーケティング活用する動きも増えてきました。
例えば、アサヒビール株式会社は、グループ会社の商品「ニッカウヰスキー」のブランディングの一環として展開していた「バー読」キャンペーンの施策として、iPadアプリ『バー読 In My room』を開発しました。iPadユーザーは「30歳以上」「男性」「会社員」の割合が高いという調査結果から、ウイスキーの既存顧客層と親和性を見出したためです(弊社第2回iPadユーザー実態調査:PDF)。
この事例は、次回以降の連載で詳しくお伝えしたいと思います。
Facebook、Twitter、タブレット端末にスマートフォン…。次々と登場する新たなデジタルメディアの登場に合わせて、企業もコミュニケーションチャネルの拡大が求められているのです。