ユーザーのページ内行動を分析
今回は通常のアクセス解析ツールでは分析を行うことが出来ない、ユーザーのページ内行動を分析するツール「Readscope Pro」を紹介いたします。
ページごとの精読率やクリック箇所を可視化し、コンバージョンした人としていない人での違いなども確認することが出来るツールです。今まで見たかったデータが可視化されることにより新しい気づきと施策を考えられるようになります。
「Readscope Pro」は計測を行いたいページにタグを入れる方式で計測を行います。費用は「初期導入費用(50,000円)」+「月額費用(~10万PVまでで31,500円から)」となっています。アクセス解析ツールと併用することで価値を発揮します。
今回は「Readscope Pro」の特徴を7つ紹介しながら、ツールの魅力と筆者なりの活用方法を説明いたします。その前に実装方法を確認しておきましょう。
実装方法
アカウントにログインしドメインやサイトの種類などを選択すると、計測記述用のタグが出てきますので、計測を行いたいページに貼るだけで完了です。
以下のようなタグを</BODY>のすぐ上に追加します。全てのページが同じタグで済みますので、実装は非常に簡単です。
では早速、「Readscope Pro」の特徴をピックアップしていきます。
1:ページを20分割して各指標を確認しよう!
「Readscope Pro」はページ単位でデータを確認します。早速レポートを見てみましょう。
下の表を見てみましょう。0%~100%という値があって、その横にページのスクリーンショットがあります。これはページの縦幅を20分割し、5%刻みで表示しています。画像をクリックすると拡大して確認することが出来ます。
「Readscope Pro」ではこの5%単位で指標を確認することが出来ます。確認できる指標は全部で4つになります。
- 読者数:該当箇所までスクロールして閲覧した訪問者数を表します。
- 閲覧回数:該当箇所を閲覧した平均回数です。スクロールを前後に動かしたりする事によって、回数が増えていきます。
- 滞在時間:該当箇所を見ていた時間です。
- クリック回数:該当箇所にあるリンクをクリックした回数です。
1人の訪問者があるページを2回見て、それぞれの滞在時間が30秒と1分だとすると、集計上はより大きい数値(この場合は1分)の方が採用されレポート上で表示されます。
通常のアクセス解析ツールの場合、ページ全体でしか上記の数値が分かりません。しかし「Readscope Pro」を使うことにより、ページの「箇所」ごとに数値が分かるのが大きな特徴です。それぞれの値に分析のヒントが隠されています。それぞれの項目について解説していきましょう。
読者数
読者数はページのどこまで読まれているかが一目で分かります。
何割の人が記事の最後まで読んでくれているか、商品の詳細を見てくれているかを確認出来ます。記事同士で比較をしてみるのも面白いでしょう。ページの重要な箇所まで何割の人がたどり着いているかを把握し、想像より少ないようであればページを短くする方法を考えて見ましょう。
閲覧回数
閲覧回数は「良く注目されている」箇所が分かります。
左にある訪問者との対比で見てみるとよいでしょうか。訪問者の割合が少ないのに、訪問回数の割合が高いところは、一人のユーザーが複数回見てみることを表しています。そこに書かれている内容はもしかしたら、ユーザーにとって重要な内容なのかも知れません。ぜひ、その内容を確認してみましょう。
滞在時間
滞在時間は文章が多い箇所で長くなる傾向にあるはずです。
もしそこの滞在時間が短いのであれば文章が読み飛ばされていることが分かります。文章量が多い、もしくは読みにくいなどの要因が考えられます。
クリック回数
クリック回数はページのどの箇所でクリックがされているかが分かります。
もちろん、リンクが無いところにはクリックが存在しないので見る際には注意してください。同じ箇所へのリンクが複数ある場合、どこでクリックされているかが一目で分かります。
例えば宿予約サイトのように、ページの各箇所に「予約に進む」といったリンクがある場合、どのリンクが一番人気なのかが判明します。通常のアクセス解析ツールでは同じページに遷移している場合は違いがわからないので、「Readscope Pro」ならではの数字になります。
どの指標を使うにせよ、アクセス回数が多いほど精度が高くなります。個人的な感覚としては300ページ以上のアクセスがあった方がよいでしょう。30PVでは、たまたまはずれ値が発生してしまう可能性があります。
また、最初のテスト時はともかく実際にサイトで運用を開始したら、自分のIPアドレスからのアクセスは設定画面から設定を行い除外しておきましょう。サイトの勝手をわかっている本人がアクセスすることで、ノイズとなってしまいます。